安全で効果の高い御守りは少なく、危険で効果の低い御守りは山程ある。
僕達は僕のバイト時代同様に魔道具に魔力を供給する仕事に向かう。修理の依頼の無かった魔道具は宮廷魔術師で引き取り修理という名の魔力供給を行うのだ。
僕は見習いだったため、先輩に手本を見せてもらう。
宮廷魔術師は名ばかりになったとはよく言ったもので、駆け出しの魔法使いでも簡単にこなせるような仕事だが、それでも簡単だからと誰もやらなければたまってしまう。
そして修理された魔道具は家を自分で借りられない人の住む国営の共同住宅に送られる。
旧型の魔道具は魔力を3〜5年に一度程度補給する必要があり、新型は魔力を自動で補給するが、その補給する機能が3〜5年で壊れてしまうので実質新旧の差はない。
それでも5倍近い値段の新型が人気なのだから不思議なものである。
うちは全て新型をそろえている。自分で作れるのだから何となく新型にしてしまう。
そうでなければ自分で買ったりはしない。
僕が死ねばエリーも死ぬ可能性が極めて高い。それでももし何かの奇跡が起きてエリーだけが助かった時の為にある程度のお金は遺しておきたかった。
もう後5年しかないのだ。学園を卒業したころからその事を強烈に意識する事が増えた。
僕が死んでエリーだけが生き延びるような事になったとして、エリーが全く無事とは更に考えにくい。
魔法使いが儲かるとはいえ5年しかなく、その間だってエリーの病状はどう変化するかわからない。
魔道具についつてはハンナやハンナの家族の店は家庭用の魔道具もうっているが、それとは別に探検家向けの魔道具をうっている。
アミュレットやタリスマンの類いだが、これは強くて安全なものはほとんどなく、弱くて危険なものは山程ある。
条件をうまく揃えねば効果が反転したり暴走する。
魔法使い用でないものは効果の高さよりも、危険の少なさを重視したものが売られているのでもしハンナの店に来る方は安心していただきたい。
宮廷魔術師は揃いのタリスマンを身に着けているが危険は少なく、揃いのものを持つ事で効果がたかまる。特に国の為に働く時呪いを遠ざける効果がある。
引退する時には王に返すのだが帝国に併合された際に所在が曖昧になってしまった。普通そういう場合、呪いに反転するのだが、今も守りの効果を放ち続けている。
先輩は僕のもつお守りを指さし
「その絵描き男の光る石は誰かのプレゼント?あなたを強力に、守ってくれている」といった。
カトリーナさんにもらったものだ。
当時のクラスの皆が魔力を込めてくれている。疎遠になったように思っていた友人達が僕を守ろうと願ってくれた事をしり僕は涙がこぼれた。
それを見た先輩が僕を心配してあわてた。




