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金に変わる石

僕は忍者男君やカトリーナさんに記憶が曖昧だった事を伝え、これまでの事を謝るとなニアさんが許しを与えてくれた。彼女の姉が今の僕の師匠であり、それを形の上だけにしてほしいという身勝手なお願いをしてきたのだからおかしくはない。ドナにも一度会いに行き、錬金術師になる事を伝えた。ほとんどの時代で錬金術師と魔術師はライバル関係であり仲は良くないのだが彼女は僕を抱きしめ快く許可を与え激励の言葉をくれた。

「あなたは立派な錬金術師、妹をたすけたいのでしょう。誰かを助ける為に真の力を発揮するのが錬金術師、きっとあなたの妹はあなたを守る為に遣わされたのよ」といった。妹がいなければ僕はこの先の運命で死んでいた。僕はきっと昔から錬金術師で、金に変わる石は妹であり、そして僕なのだ。僕はこの時2.5次魔法に達する。昔はこれが3次魔法から2次魔法への魔法使いの進化だと誤解されていたほどの身に余る奇跡。

身に余る奇跡はまだまだウェンディと戦うかうにはたりない。後6年、世界を守る為エリーを殺しにくるウェンディと僕は戦う。魔術師の取る道は泣きながら自分でエリーを殺すか出来ずにより強い力をもつ魔術師にエリーを守る事も出来ずに殺される道だ。

それを戦争中にまで誰一人殺せなかったウェンディにさせる道。僕は魔術師が嫌いだ。


錬金術師は金の石は世界そのものだと知っている。

だから世界を守る為にエリーを殺す道など存在しない。そして僕が死ぬことも許されない。なぜなら僕はエリーにとって、そしてカトリーナさんにとって、ドナにとって、そしてウェンディにとっての金の石なのだ。

僕は太陽石の加工方法が分かっている。これでエリーの病気の進行は遅らせる事が出来る。それでも後6年しか持たない。魔法使いには未来が見える。エリーの後1年の命が6年に伸びた事が分かる。

太陽石は一欠片、薬1回分。飲み続け無ければ効果はない。一応今なら1週間程度は効いているはずでその間に太陽石を手に入れなければならない、その間隔は更に短くなるはずであり。僕はまた大魔境に向かわなければならない。


大魔境は旧帝国領最強、つまり現役の魔法使いで最強候補の筆頭、僕の師であったドナにさえ危険な場所。そして僕が6年後に死ぬと決まっていても6年間は死なないという事ではない。大魔境とはそういう場所だ。そして僕が死ねば妹を助けられる者も居ないのだ。

僕は「僕がもし大魔境で死んだら妹の事をお願い出来ますか?」とドナに尋ねる。意味は分かるだろう。妹を殺してくれと僕は頼んだのだ。ドナは小さく首をふる。「私にとってあなたの妹はあなたの妹でしかない。私にはあなたの妹は殺せない」と答えた。期待し、欲した答え。僕は「はい。」と答えた。人に頼れる事では無かったのだ。

僕は僕自身で悩み苦しみ、方法を見つけなければならない。

僕は今日錬金術師となったのだ。




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