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僕は自ら魔法の腕を落としていた。

僕はエリーの手をとる。魔境や秘境は精霊のあつまりやすい場所。実際には都会には都会の精霊がいるのだが、そこに住む人には耐性のようなものがあり、関わり合わないで済む。

エリーの周りにはたくさんの精霊が集まって来る。精霊姫と呼ばれる精霊は

「ルー、ラララ、ルー」と唄う。人に分かる精霊語でエリーを脅かしている。ウェンディに会う前の僕なら、焦って攻撃をしかけただろう。

精霊姫は子供にお菓子をくれる鬼という人食い鬼と同じ性質を持つ。弱った子供は助け、そうでない子供を脅かして帰らせ危険からとうざける。そして悪い心を持った大人を退治する。それがその人食い鬼にとっての人を食べるという事なのだ。人食い鬼だと言うことを騙して近づき、もうすぐ食べるぞと騙して帰らせる。精霊姫とは世にも珍しい、桃色の騙す者だった。

普通の人間に精霊は見えない。魔術師ならば精霊の色が見える。人に害をなす精霊は赤系の色、人を助ける精霊は青系の色。

普通の騙す者は人々を騙す為に青色で近づく。

精霊姫は人々を助けてくれるのに赤系の色で近づく、僕がそっと頭を撫ぜると姫はソッポを向いた。


エリーは「君、呆れるくらい浮気性ね。」といって唇をとがらせる。


※誤解である。


僕はエリーの手を一度も離していない。精霊達がエリーに道を示すように迷宮に散って行く。

僕たちの目印となってくれている。優しく僕達の背中を押してくれた者がいる。けれど僕達は振り返らない。エリーも優しく押された背中よりも繋がれた手の温もりを頼りにしてくれている。 


迷宮から抜け出た時、僕達の手はしっかりと握られたままだった。入り口にはウェンディもドナも居なかった。心配症な彼女らなら、ひょっとしたらと思ったけれど、もうこちらから会おうとしなければ会えないのだろう。

僕はもう魔術師ではない、ドナはかつて「魔術を使えるから魔術師ではない。魔法を探求し続ける者が魔術師なんた。」と言っていた。

だから僕は魔術師を辞めたといっていい。


「エリク君、私お腹が空いたわ。」とエリーは僕を見あげた。僕は僕の家で魔法により食べるものを出す。楽のために魔法をつかう。

怒られない程度に学校にも通い、その後魔法学園にも通うだろう。ウェンディの魔法により、僕は天才魔法少年ではなくたいした事ない魔術師の卵という認識が広がっている。新しく派遣された師匠は僕があまりやる気がないという事を伝えると課題だけ送ってくるようになったし、提出しなかった。そんな僕であっても僕が入る事になった孤児院には莫大な寄付金があつまる。無気力な僕を精霊がたまに怒りに来るけれど、僕はいつも「これからは頑張るから」といって追い返す。精霊は簡単にだまされる。

僕は孤児院から学校に通う。道中エリーに魔法の理論の話をしても彼女はつまらなそうに聞いている。

エリーは捨てられた子をたまたま保護した事になっている。孤児院は僕の頼みならエリーの事を受け入れざるを得ない。最初こそしぶしぶだったがエリーに魔法の才能があると分かると院長は小躍りしていたし、もしそうでなくとも、きっとエリーを好きになってくれていた。院長はお金にうるさく、そしてら情に厚い人だった。

エリーは最初こそクラスの子とよく喧嘩していたけれど、僕が見つけた子という事で、仲裁に入った先生から贔屓されると分かってからは、ダメな力の使い方と自覚してからはほどほどになり、先生含めて皆と打ち解けるようになっていった。


僕は新しい魔法の師匠の課題は義理で一度だけ提出しただけだったし、相変わらず、エリーに魔法の理論の話をしてもつまらなそうにされるだけだった。


※後から聞いた話だが私のこの当時の師匠はドナから僕の事をしっかり面倒をみるように頼まれていたらしく、ドナに怒られないかいつもヒヤヒヤしたそうだ。

私に会いに来ても孤児院の院長が魔法で両親を殺された私の事を思い、魔法使いである彼女をけして敷地に入れなかった為会うことが出来なかった。魔法使いが恐れられていた時代、院長もかなりの勇者だ!当時の師匠の課題を今見返すと凄く考えられたものとなっていた。

後に私のクラスメイトとなる大探険家ニアさんの年の離れた姉だと知り、お会いした際には平謝りで当時の事を謝罪した。ここまで読んでお分かりの通り私はいつも師匠に恵まれていた。


魔術は一度覚えれば忘れないし、僕は魔法について修行しないだけて、魔術は便利に使っていたので腕は落ちていないと思っていたし、実際魔法についてはそのように考えれてきた。そしてそれは誤りだった。

僕は心の奥で魔法の腕が落ちることを望んでしまっていたのだ。

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