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僕は何も知らなかった

エルフの国の住人の正式な受け入れが決まる。

関係国の要人たちがあつまり魔法による写真をとる。

姫は現在の王妃になにか話した後。

僕の手を引いた。僕たちは隣どうしに座り写真に写る。前回の別れ際に少し不機嫌そうに見えたのが嘘のような笑顔だった。


僕たちの国の要人はハラハラしている。

エルフの国の人々は皆笑顔だったが彼女の将来の婿候補の一人は僕をにらみつけている。

写真を撮り終わり僕は鋭く睨み返すとたじろいでいた。僕は伊達にウェンディやドナの弟子はやっていない。姫は僕の行動に驚いていた。

僕たち二人だけの写真等も撮る中で姫は今後の事を話す。エルフは学校に通わないものが多いが友好の意味まいり自分は僕たちの国の魔法学校に通うという事だった。

「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ」純精霊語で学校での再開を、約束した。僕も純精霊語で返そうとするが彼女は強い口調で危険だからダメだと叱った。


その帰り道だった。

久しぶりに家族3人で歩く。

僕は勝手に写真に写った事に怒られるのかと思っていたけれど何も言わない。

二人の気持ちは僕にはわからない。


月の民の残党狩りが行われる平和とは言えない国

それでもドナやその兄弟子たちにより、学校等公共施設、それに人の多い所はなるべく安全な場所に作られたし月の民も街からは離れた。

だからそこも安全なはずだった。


2人の魔法使い、2人の魔術師と錬金術師が戦いの中でたまたま現れてしまった。錬金術師の男は逃げる時僕たち家族を押し倒す。僕は戦闘を禁止された地域だと言うことを指摘しようとした。僕が馬鹿だったのだ。危険なものには近づかない事が一番の防衛法なのだ。

きっと僕をおそれ目を逸らし続ける両親のようになりたくなかったのだ。本当は私の方が避けていただけなのに。

両親はそれでも僕を愛そうとしてくれていた事を信じ続ければよかった。

逆上した魔術師の魔法が僕に向かう。力量は大した事はない。子供の僕以下。僕には効かないはずの魔法。それでも僕を庇った父と母にその魔法が直撃した。今主流となっているのは消滅の魔法。両親は一言も発することも無く一瞬で消滅した。

何かを伝えようとした事だけが分かった。やはり魔法は僕には何のダメージもあたえなかった。

魔術師は逃げていく。

魔法は無限の速さを持つ、放たれてからでは間に合わない。僕を嫌っていると思っていた僕の両親は何の迷いも無く僕を庇った。

僕に悲しみはなかった。けれど僕の瞳からは涙がこぼれ始めた。


その後僕はどううちに帰ったのかは覚えていない。

悲しむ魔法使いに近づくものなどいない。魔法使いがおそれられている時代。何をされるかわからないのだから。


葬儀のあと僕はもうドナに家庭教師に来なくていいことを告げると。ドナは頷いてくれた。僕はもう魔法に関わりたくなかった。

誰も僕には近づかない。誰も僕に意見は言わない。

僕は一人ウェンディの所に向かう。いつも修行した場所、そこにウェンディはいなかった。そこには誰もいなかった。僕は大声を上げてないた。


「ごめんなさい。あなたにはもうあわない」そう言ってウェンディはあらわれ僕に魔法をかけた。記憶を置き換える魔法。両親の死は僕のせいじゃない、そう記憶を置き換える魔法。僕の心を守ろうとした。


僕達を襲った魔術師と錬金術師は死んだときいた。ドナがやったのかウェンディがやったのか僕が自分で気づかないうちにやったのかはわからない。


そしてウェンディの記憶を置き換える魔法は僕には効かなかった。

ウェンディが僕の記憶を消そうとした事はサラに僕を魔法嫌いにさせた。

僕は生涯最後のつもりで魔法を放つ。

きっとそんな事は出来ないと知っている。

僕には新たの魔法使いの師が派遣されるし、僕は魔法学校に、なんとなしに通うのだろう。


魔法使いは目では見えない所もみえる。

僕の全力の魔法もウェンディには効かない。けれどもウェンディはたじろいでいた。やっぱりウェンディは甘いなと思うと僕はほんの少しだけ前を向けた。


そうして僕は迷宮の中一人になる。



やったのはドナです。

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