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別世界から帰る時には男女は手を離してはいけない。

ウェンディとの修行は厳しかった。僕がそうお願いしたからだ。

僕は強くなりたかった。ウェンディを悲しませたくない。僕の魔法は精錬されていく。習得は危険だとされる精霊術だって使うし、錬金術だって使う。僕はそれだけ強くなりたかった。

ウェンディは僕に特別な木で作った杖をくれた。

僕は「ずっと大切にする。」といって杖を大切そうにだきしめる。


※いただいた杖は子供用の杖で今では違うものを使っているが、その時の気持ちは本物であり。私が今使っている杖も再開した後ウェンディに作ってもらったものだ。私は今錬金術師だが錬金術師にしては珍しく杖を使いつづけている。逆にウェンディは魔術師にしては珍しく剣をつかう。 


ドナもウェンディもかつて帝国最強の魔法使いとされたウォルター氏の弟子だったそうだが、彼は弟子に魔法だけでなく様々な技術を伝えていた。

ウェンディは剣さばきも、体術も見事で魔法無しでも相当強い。


6大魔境にもいくつか訪れた。呪いはいくつか受けたがそれはウェンディがといてくれる。10歳の僕に呪いに打ち勝つのははまだ早いからまずは呪いにかからないように言われる。

それでも近づかなければ呪いに強くは成れない。避ける技術、身を守る技術、取り除く技術、体を回復させる技術。そして復活する技術。

6大魔境、そしてその他の魔境や秘境にも巡る。

ウェンディとあった秘境だって今度は奥まで進む。かなり強い魔境で、最初の時点の僕では超える力はなかっただろう。ウェンディとの修行を経て僕は6大魔境以外なら越えられる実力がついていたとおもう。


各魔境や秘境では中で勉強をする。

ウェンディに概要を聞き、後で詳しくはドナにおそわる。ただ、6大魔境の秘密についてはドナではなくウェンディに教わった。まず前提として世界とは強大な魔法の塊である。魔法とは世界の素。魔法の変化の形態のひとつが物質であり、生物であり、呪いであり、世界である。それは錬金術師の様な考え方。大魔境の先の世界はその変化の法則が変わる。それはつまり世界の根本のルールが変わるという事。魔法を持たないものにはすべての物質、力、すべての因果が命を奪う。時間の流れだって違う、時のながれに差があるでもない。逆行でさえない。すべての異物の存在を許さない世界。

他の世界に行くことは消滅の魔法に自ら飛び込んでいくに等しい。しかもその魔法はその世界の永遠の未来までためられたに威力なのだ。

人間で上位者の世界に門を開かずに問題なく越えらるものは3人のみ。2次魔法使いでも絶対大丈夫とはいいきれない。

大魔境は道、そしてその先の門。むしろ世界を越えやすくするためのものなのだ。

ウェンディは

「私は自分用や、同行者数人用の門を作ることは出来るけど。試練さえこえたらだれでも渡れる門を維持し続けるのはだれにも出来ない。1次魔法使いは本当に格が違う。」といった。


上位者の世界では超一流と言われる魔法使いでも、大魔境で体を慣らしてから超えても一呼吸しただけで死んでしまう人は少なくない。何でもない様なものが私たちにとっては魔法の攻撃になりかねない。適応していなければ、触れるだけで危険でありそれを体に取り込む事で死んでしまう。


僕はウェンディに別世界に連れて行ってもらう。

大魔境の先の世界は危険だが、逆にその他のほとんどの世界は僕達が危険を与える側になる。優秀な魔法使いは世界より丈夫とはよく言われる話だ。

生物のいる世界は滅ぼしてしまうかもしれないから、何もない世界に門を開き慎重に降り立つ。

強い魔法使いは弱い世界を魔境に変えかねない。魔法使いの実力を表す格と密度の密度とは要はこの事であり、密度の高いものが低いものを作りかえるのだ。

帰り道、門を通るときウェンディは握っていた僕の手をはなす。僕は急遽とてつもない不安で吐きそうになる。ウェンディは手を繋いではくれない、門をくぐる途中で立ち止まり手をはなす。 

別世界への門をくぐるとき。男女は手をはなしてはいけない。そして振り返ってはいけない。

少しでも魔法をかじった人なら知っている。手を離せば二度と会えない。振り返れば二度と会えない。

きっと未来で僕を殺してしまわないためのおまじない。だからウェンディは振り返ってほしかったのだろう。僕は振り返らなかった。僕はまだまだ女心というものがわからない。門を出た後ウェンディは僕を、優しく抱きしめた。


帰ってきて僕は別世界での話をたくさんの人にした。ドナには怒られたけど僕は楽しかった。

両親は何も言わない、夜遅くに帰った僕を叱る事もなかった。


そして運命の日はエルフの国の正式の受け入れの日の帰りだった。





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