天使系
「それでどうだったんですか?このマンションは?」
テーブルに麦茶を置いて下から顔を見てくる。
さっきまでオスオスしてたのに、なぜ賢者タイムは少女っぽくなるんだろ?
彼がどんな動画やってるのか?結局今だに分からないが、
きっとこの男っぽいのか女の子なのか?固定しない天使な感じが見る人にアピールしてるのかもなあ〜と思う。
「ちょっと待ってね〜」と言いながら脱いだ?脱げた服をランドリーに振ってから入れ、カバンも逆さまにして振ってからクローゼットにしまう。
つい昔のクセで盗聴を疑ってしまうのだ。
「ココね〜やっぱり中国の香港マフィアにカモられてるみたい。」新しい服に着替えて買ってきたRINGOのアップルパイを出した。
「これ美味しい〜♪」なぜかアイドルみたいに可愛く食べる男子なのだ。これを見るのが至福の一時なのだ。
「でしょう?ちょっと遠回りなるけど、これ買いに京急寄ってきたよ。」カルディのアップルシナモンフレーバーの紅茶を入れ直して出す。
「これもちょっと並んで買っちゃった。」とクルミっ子もお供に並べた。
昔は並ばず買えたが、この頃は並ばないと買えないのだ。
「これもうま〜っ」リスのパッケージのお菓子を本当にリスみたいな子が食べてる。
「カロリー高いから少しにしとかないと太るよ。」と注意しながら出す。
悩みながら母性に操られて平間君に食べさせたいお菓子を求めて川﨑駅前で散々買い物してきたのだ。
やはり母性の怖さを見てるから、それにハマる自分が恐いんだと思う。
男性は女遊びにハマるが、母性の快楽知ってる女性から見ると大した快楽ではないのだ。母性には薬の助けは要らないくらい。
脳内麻薬で事足りるのだ。
老人が多いこのマンション。
年金頼りの生活で外に働きにも行けない人達に運び屋のバイトを斡旋し台湾から麻薬を運び入れさせていること。
このマンションなら空港まで自転車や徒歩で行ける事を生かしたビジネスなんだと説明した。
「年取ると、怖いものが減るのよ。もし捕まっても老い先短いしね〜」急に自転車乗る人増えたのは、きっと持ち込む量で歩合制なのだろう。
少しでも多く運ぶ為に自転車乗る人が急に増えたんだろ。
「そうかあ〜そんな悪い事してる気は無いんだね。みんな。
そうか!立川さんは、皆が持って帰った薬を量に見合った金額で買う人だったんだ!
だから、お金が欲しい901号室の矢向さんが仲良くしてたんだ!」平間君が気付く。
「そうか!競馬場やパチンコやソープには組織の人間が売りに行けば良いもんね。
ジジババは、マンションまで持って帰ってくれば良いだけなんだ!」ミー子が紙にマンションの形を描く。
「マンションの中には、持ち込まれた薬を買う係、
薬を持って競馬場やパチンコ屋で売人に売る係が居るんだね。
だから立川さんは夫婦で家で仕事してる役回りだったのか!
で売人に売る係は、川﨑駅前のオフィス街に拠点があればサラリーマンとしてマンション暮らし、
薬を立川さんから受け取れるもんね…その川﨑の駅前オフィスに立川さんの旦那さんは閉じ込められてるかもね…」図を描きながら不安になる。
奥さんは首吊りして墜落。頭がパックリ割れてた。
旦那さんは駅前のオフィスでどうされてるんだろ?
「僕の隣のの909号室の尻手さんなんかは、きっとやり過ぎてもうブローカーみたいになってるんだろね〜
台湾で麻薬を集めてる係りなのかもね。
だから、ビザの関係でたまに帰宅する程度なんだ。」
平間君はフリーの仕事で生き抜いてるだけあって、頭が良く回る。
所詮公務員のミー子は感心して聞いている。
程なくして川﨑の10くらいある組事務所に人間の身体のパーツが届けられた。
三合会からのご挨拶らしい。
川﨑を中国マフィアの拠点にするには日本ヤクザが邪魔なのだろう。