エピローグ
私の結論として、人間の可能性は無限大である。
昔じゃ考えられない異常気象、戦争、化学兵器。
それらは全て、人間が作り引き起こした代物だ。
かつて人間は地球神が宿っているだとか、アニミズムだとか、ともかく「地球」を敬い「神物」として扱ってきた。しかし、今はどうだ。人間の都合で天候は変わり、「季節」という概念は無くなった。今の若者は「侘び寂び」を永遠に知ることはないだろう。
ある科学者の実験により地球は表面積を増やし、日本の排他的経済水域は世界最大のものとなった。全てが変わってしまった。文化が枯れたとは誰が言っただろう。
だが、変わってしまったのは自然だけではない。僕らの中からも変わってしまったものが出てしまった。昔の人間では不可能な、「第六感」といった戯言が、この世に存在した。我々はそれを「インジュアル」と名づけることにした。個性でも能力でもないなにか。しかし、個々にあるもの。
そこで、実験のために「インジュアル」を持つ者たちだけで国を作らせることにした。もちろん。国連の支配下には置かない。元の人間社会に「インジュアル」が追加されるとどう変化するのかを観察するため、この実験は内密に行う。
二〇xx年 始動