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クロスケ金策計画

結論

「証書の状態で売り買いしてしまえば良い」

Q.E.D.


売買が成立しても実際の物のやり取りには時間差がある。すぐに小麦を引き取りに来たりはしない。 

経験上、1〜2ヶ月後になる。倉庫に空きがある事は稀だし、予定というものがあるはずだから。売る予定、買う予定。商人の倉庫は「貯蔵」する場所ではなく、「循環」させる場所であるからだ。


ただし、()()()があれば別だ。クシマ家馴染みの商人さんだと他の取り引きの時、荷車で来て、帰りに小麦を積んでいく、というイレギュラーも考えられる。世間話でこの取り引きの話がお屋敷に広まっても困るしね。


なので馴染みの商人さんとは取り引き出来ない。というわけで、この間紹介してもらった商人さんと取り引きする。


新規の商人さんならコチラ側が優位に立ちやすいし、商会として多少損失があっても今後を考えて受け入れてくれる可能性が高くなる。


フヒヒッ!この世には「奪う側」と「奪われる側」がいるのさ!彼らには我が野望の礎となってもらおうさ。


とは言いつつも取り引き自体は真っ当なものだから当然コチラ側にもリスクはある。


まず、備蓄用小麦をある程度放出したいとか何とか言って小麦を売却する→売却時よりも値段が下がったら売却分を買い戻す→売却価格と買取価格の差額が利益になる。

これを小麦が証書の段階の間に終わらせる必要がある。


実際に証書を小麦に交換しに荷車でお屋敷まで来られたらアウトだ。全部バレる。

荷車来たらサヨウナラ


なので小麦の値段が下がるのをいつまでも待っているわけにもいかない。安定を取って3週間を限度とし、その時点で赤字でも買い戻しを行うルールとする。


それにあまり頻繁に売り買いしていると商人間だけでなく街全体のウワサになってしまう。そうなったらマズイのであまり頻繁には取り引きしない様にしないと。


商人ギルドの様な大きな商会と取り引きする様な大口取引ではなく、個人商会と取り引きするような小口取引で、数はこなせないので慎重に。失敗したら終わりなのだから。


でも、ミハルさんと結婚したいと考えるとそんなにノンビリもしていられないのが悩ましい。


まずは荷車1台分でやってみよう。1台分ならオレの裁量の上限いっぱいくらいだ。上手くいかなくても何とかごまかせる。


1番の問題は小麦価格だ。収穫期に付いた値段からそこまで上下しないとはいえ波はある。

今までは自分の金ではないし、ただの報告でしかなかったのでそこまで意識した事はなかった。


まぁ、意識高いふりして価格を気にしてみたりしてたけど。そのおかげで商人ギルドから目をかけてもらったので無駄ではなかったか。


しかし、銅貨1枚、銀貨1枚の価格差でも、荷車単位となると個人的な取り引きだと大きく赤字黒字が変わってくる。商会単位、お屋敷単位では銀貨1枚はそんなに大きな差では無い。銀貨1枚では商会、お屋敷は何もできないからだ。


でも、個人では色々できる。しばらく生きていける。銀貨1枚は個人では大きな差だ。

なんなら半月金貨の6、7枚もあれば個人なら人生が買える。

一般庶民なら人生上がりだ。働かずに程々なら遊んで暮らせる。


奴隷売買の費用がどのくらいかはその奴隷の価値にもよるが、相場としては成人男性なら半月金貨1枚位。

違約金もこれくらいと想定して、そこにneet資金もプラスすると、ざっくり半月金貨4枚。いや、結婚もするから7枚、子供とかの事も考えると10枚欲しい。半月金貨10枚あれば大抵大丈夫だろ。


半月金貨10枚を目標に取り引きしていこう!


半月金貨10枚か…

割とエグい目標だな。ミハルさんとの結婚となると、今年中かその位には決めないといけない。きっつい!


でも、これで道が見えた。踏み外せば真っ逆さまの細く脆い崖の道。道の先には大きな光。歩く足と進む体力は持っている。

あとは勇気だけだ!






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