ふれもみで(1)
私の肩を優しく揺り動かしながらマサキさんが声をかける。
「イチハ、大丈夫?起きれそう?」
心配する声と顔を見る。
彼が優しくて苦しくなった。
「マサキさん、心配かけてごめんなさい。」
私は彼の手を握った。
彼は優しく私の手を握り返し、穏やかに微笑んだ。
「両親に彼を紹介するのが初めてで必要以上に緊張していたのかな…。少し寝たら落ち着いたから。」
私はびっくりするくらいスムーズに言葉が溢れた。
緊張はしていたけれど、それだけではないのは自分では痛いほどわかっていても、みんなに気づかれてはいけないことだと思った。
何よりずるいかもしれないが、彼を好きなことは違わないのだから。
「イチハ、大丈夫?」
と、彼は私を支えて立った。
それと同時に軽く抱きしめてくれた。
「しんどかったらいつでも頼って。」
そう彼は耳元で伝えてくれた。
私は小さく頷き、彼の背中に手を回して抱きしめ返した。
彼は軽くトントンと背中を叩き、リビングに戻ろうと促した。
そこからはたわいない話を両親やカナタとしながら、少し早い年越し蕎麦を食べたり、父が少しだけお酒で酔ってしまってマサキさんやジュンタさんに絡んでいたり、母と食事の片付けをして過ごした。
出来るだけマサキさんの隣で過ごし、時折不機嫌そうなカナタの顔を見て話しかけたりしたが、カナタは“別に。”とそっけない返事だったりだが、そこまで冷たい感じではなくたまに私と視線が合ったりした。
ただ、出来るだけジュンタさんを視線の奥に追いやって見ないようにした。
「そろそろ、遅くなるから帰るね。明日、また、朝に来るね。」
私はそう言ってマサキさんと帰宅する。
しっかり手を握って、出来るだけ早く彼と2人になりたかった。
気持ちがふらつかないように、彼と過ごしたかった。
「寒かったね。」
彼がエアコンの電源を入れて、
「お風呂入れるね。座ってて。」
とバタバタと動いている後ろを私は抱きしめた。
「好きだよ。」
私は彼の背中に顔を埋めて伝えた。
彼は私に向き直して、私を強く抱きしめる。
「僕も好きだよ。」
彼は優しく唇を合わせ、1度身体を離して私を抱きかかえて、ゆっくりベッドに私を置くとまたキスをする。
何度も何度も触れるだけのキスをしながら、
「好きだよ。」
と言い、その度に私を見つめる。
それに安心して私は彼の首に腕を回し、キスを深くしていく。
私の口からだらしなく吐息が漏れていく。
彼の唇が私の唇から離れるのを切なく思いながら、その唇の行方に反応していく。
私の身体を抱えるように上半身を起き上がらせ、ワンピースのファスナーを下ろし、ゆっくり私の背中を骨張った彼の大きな手が撫でていく。
胸元を甘噛みをしホックを外しながら、
「イチハ、大好きだよ。」
と彼は私の顔を愛おしそうに見つめた。




