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うたかた  作者: たき
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揺らぎ(10)

ドラッグストアで冷却シートやゼリー飲料、少なくなっていたティッシュペーパーとトイレットペーパー等を買い、スーパーでお鍋の食材を買う。


「一緒に住んだらこれが普通になるんだろうね。少し不謹慎だけど、ちょっと楽しいかも。」

帰り道で少し楽しそうな彼を微笑ましく思った。

彼との未来はきっと穏やかだろう。

手を繋いで反対の手に荷物を持って、きっとその時も全部持つよと彼は言うんだろうけど、軽い方を私が持って、長い影を見ながらたわいない話をしながら帰宅するんだろう。


「そうだね。マサキさん、休みゆっくり出来なくてごめんなさい。いつもありがとう。」

私は握った手に力を少し加える。

彼はそれに答えるように2度軽く握り返す。


「ちっちゃい手。かわいい。」

彼はそう言って、繋いだ私達の手をコートのポケットに入れた。


私達が姉の家に帰ると昼前でキッチンの水切りかごに食器が洗われて置かれていた。


軽めにお昼を済ませ、少しだけゆっくりしていたらカナタが早めに帰ってきた。


「ただいま、イチハいる?」

カナタはリビングで私を見て安心したような顔をして、


「…昨日、ありがとう。」

と、小さい声で言って自分の部屋に入っていった。


私とマサキさんはその様子に少し顔を見合せ、笑顔になった。


「ツンデレ加減…。」

マサキさんはそう呟いて優しい目をした。


私が洗濯物を取り入れようとベランダに出ようとしたら、マサキさんは私を止めて“やるよ。”と言って手早く取り込んでくれた。


「お水とかありますか?あと、鍵返しときますね。」

私は寝室のジュンタさんに声をかけた。


「もらえるとありがたい。鍵は持ってて。今回みたいなこともあるかもだし、カナタも僕もその方が安心する。」

私はそのジュンタさんの言葉に“わかりました。”と伝えた。

あの時よりも状況も気持ちも変わってきている。


私はペットボトルのお水とゼリー飲料を寝室の前に置く。

そして、夕ごはんの準備をしながらマサキさんと穏やかに時間を過ごした。

洗濯物をキチンと畳んでくれて、私の下着にいちいちかわいらしく反応する彼を今は本当に大事だと思う。

激しく切なくなるような感情はない。

穏やかで安心できて未来が想像できる関係が、本当に心地よかった。


「美味しそうな匂いがするね。」

彼が私の後ろに立って、鍋の中を覗き込んだ。

私のお腹に腕を回し、優しく話す。


彼は鼻をスンスンならして匂いを嗅ぐことはない。

不意にジュンタさんのクセが思い出されて、笑ってしまった。


「どうしたの?何か変だった?」

マサキさんが私の顔を覗き込む。


私は”少しだけ前の事を思い出しただけだよ。”と、彼に伝えた。

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