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うたかた  作者: たき
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融解の方法(3)

年末になり、休みに入った。

今日は自宅の掃除や洗濯をして、夕方からモモカと以前約束していた食事会をすることになっている。

明日は朝から両親が姉の家に来るので、私も合流することになっている。


まずは掃除をしながら洗濯機を回し、数件気になる仕事があったのでチェックして、気がつくとお昼になった。

スマホを見るとモモカから“気楽においで。美味しいもの食べよう。”と、連絡があった。


あれからモモカに心配されていて、話も聞いてもらっていた。

大学の時には恋愛で悩んだことがなかった。

付き合った人に別れようと言われた時も、特に反論もしなかった。

それで、


「そう言うところが、可愛くないんだ。普通、何かあるだろ?もともと好きじゃなかったんだろ?」

と、責められた。


相手から付き合ってと言われ悩んだら、付き合って好きになってくれたら良いと言われ付き合った。

それなりに愛着あったが、彼との気持ちの差が激しかった。

どこにいるのか、誰といるのか、休みを合わせないといけないとか、だんだん面倒になってきた。

その末に別れたけれど、あとになって私と付き合っている間から付き合い始めた子がいたらしい。

それが分かっても、なんとも思えなかった。

付き合い始めた子が私に嫌みを言いに学食で接触してきたが、正直それも私にはわからなかった。

私は別れたのだから全く関係がないのに、なんでわざわざ彼の事を報告する必要があったのだろうか。

別れたりくっついたりが煩わしかった。


今はなんとなく分かるような気がする。

自信がないからあの子はマウントを取りたかったのかもしれない。

自分の方が彼を好きだし、彼も私を好きでいてくれると認証したかったのかもしれない。

ただ、気持ちなんて測りようがない。

比べても意味がない。

そんな意味がないことでも紐付けて、安心したり確かめたりしてしまうのだと思った。


私は今や身動きが取れないでいる。

進むことも戻ることも出来ず、ただ、好きなだけ。


昨日買ったパンをかじる。

窓を見ると室温との差で白くくもっている。

その隙間から重い雲がゆっくり流れているのが見える。

灰色の雲が形を変えながら、光を遮るように空を覆っている。


バケットの固めの食感に甘めのミルククリーム。

気持ちばかりの野菜ジュース。


ゆっくり咀嚼しながらただ窓の外を見つめた。

雲の隙間から細い光が見えて、ゆっくり空の青が広がる。

残りを急いで食べて、あと少し掃除をしよう。

特に期待とかはないけれど、少しだけキレイにして外に出ようと思った。


雲の流れだけで感傷的になるほど、私は落ちてしまっている。

いつか抜け出せるのだろうか。

抜け出したいのだろうか…。

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