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うたかた  作者: たき
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連理の枝(3)

私は会社に行き、相沢チーフに姉が亡くなったことを話した。


「堀田さん、今日は大丈夫?」

相沢チーフが私に尋ねた。


「明日、明後日はお休みをいただきたいです。でも、今日は大丈夫です。担当のお客様が喜んで頂けるようにがんばります。チーフ、至らない点がありましたら指導、フォローお願いいたします。」

私はとにかく今日まで楽しみに頑張って準備していただいた新郎、新婦のお二人とゲストの方々に喜んで頂けるようにする事だけに集中した。


まわりのスタッフには事情は伏せてもらった。

お祝いの席で集中すべきはお客様。

私に気を遣って貰うわけにはいけない。

終了後にスタッフには伝えて貰うようにした。


式が終わり会場が落ち着いた頃、相沢チーフが、


「あとはちゃんとフォローするので、今日はもう帰って、お姉さんといてあげて。堀田さん、今日はお疲れ様。」

と、早く帰るように促してくれた。


スマホには父から連絡があり、明日がお通夜で明後日が葬儀と言うことだった。


急いで姉の家に帰宅した。


リビングに行くと遺影に使う写真をジュンタさんが選んでいた。


「シオリさん、なかなか写真撮らなかったから、イチハちゃんのところで撮ったのが良いかと思って。そこからは僕のスマホで寝ているところぐらいしか撮ってなくて。すっぴんが恥ずかしいからって…。」

少し疲れているようだが、姉の写真を愛おしく見つめている。


「お姉ちゃんはジュンタさんのことが好きだから、キレイなところを見て欲しいって、この時言っていたんですよ。」

私も姉の写真を見つめた。

本当に幸せそうに笑っている。


「僕はシオリさんが本当に大好きで、僕の事もカナタの事も本当に大事に思っていてくれたんですよ。僕が彼女と結婚した事は人生で一番幸せで誇れることなんです。強い彼女も、優しい彼女も、かわいらし彼女も、少し頑固な彼女も、全部好きなんです。」

ジュンタさんは笑顔の姉の写真を一枚選んで私に見せた。


「良い写真だと思います。姉は本当に幸せだったと思います。」

キレイなドレスを着たかわいらしく笑う姉の写真。

その写真を見ながら私は気持ちが緩んで涙が止まらなくなった。


「父と母とカナタは?」

私はジュンタさんに尋ねた。


「お義父さんとお義母さんは葬儀の連絡とかをしていて、カナタは2分の1成人式に読むはずだった発表をまとめてる。明後日の葬儀に読みたいって、カナタが…。」

ジュンタさんも泣いていた。


少しの間私達は泣いて、少しだけ落ち着いて、私は両親の手伝いに行った。

何件か連絡を終え、だんだん実感が強くなる。

姉の死を言葉にして親戚や姉の友人に伝える事で、少しずつ悲しみが蓄積されてきた。

きっとそれはここにいる家族全員が抱えている。


姉はずっといてくれるものだと本当に思っていた。

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