闘志の星空
セレスティア彩乃は、正統派の美形女子プロレスラーであった。黒い髪は、まるで夜空に散りばめられた星々のように輝き、きらきらとした瞳は、その奥に何か深い情熱を秘めているように見えた。圧倒的な強さを誇り、華麗な技を駆使する彼女の姿は、まさに一つの芸術であった。試合の前後、彼女は相手選手やファンへの敬意を忘れず、礼儀正しさを持って振る舞う。こんなにも美しく、力強い女性が、リングの上で戦う姿を見て、誰もが息を呑むことだろう。
今日も、彩乃はリングの上で自らを高める努力を怠らず、負けず嫌いの性格が灼熱のように燃え上がっている。彼女の心には、常に向上心が宿り、過去の栄光に甘んじることを決して許さなかった。試合前の控室で、彼女は自分の姿を鏡で確かめながら、まるで自らの運命を問いかけるかのように呟いた。
「私は、まだまだ足りない。」と。
その言葉は常に彼女の耳に残り、彩乃はさらに自分を鼓舞した。心臓の鼓動が速まり、緊張と興奮が交錯する。彼女は決して逃げないと誓った。リングに上がる瞬間、彼女の視線は鋭く、周囲の雑音が静まり返る。観客の期待が彼女の背中を押し、彼女は自信を持って前を向いた。「今日こそ、最高のパフォーマンスを見せる。」その言葉に力を込め、彼女はリングへと歩み出す。
ひたむきにプロレスを追求する彼女の姿に魅了されるファンも多かった。彩乃がリングに上がると、観客の歓声が轟く。彼女の心は、これまでの努力と情熱で満たされていた。対戦相手の視線が交わる瞬間、彼女は自らの強さを信じ、試合の開始を待った。身体が震えるほどの緊張感の中、彼女は一瞬の隙を突くことを決意した。プロレスはただの力比べではない。技術と戦略、そして心の戦いでもあるのだ。
そんな彼女を面白くないと思う人物がいた。ヒール・エンパイアの創設主であるクイーン・ヴィクトリアだった。黒いぴったりとした服に、黒いロングヘア。青いアイシャドーに冷たい鋭そうな眼をしている、背の高い女性だった。
彼女は、セレスティア彩乃の試合を見ながら冷ややかにつぶやくのだった。
「ふん、あの子がどれだけ努力しても、私たちには敵わないわ。」
しかし、彼女は心の中で彩乃を軽蔑しながらも、その強さがいずれ自分を脅かす存在になることを認めざるを得なかった。
クイーン・ヴィクトリアは次々と、自分の子飼いの選手を刺客として、セレスティアに送り込んだ。どの相手も、セレスティアが今まで立ち向かったことのない技や技巧を使う相手だった。セレスティアは幾度となく脅かされた。しかし、最後には勝利をおさめ、ますます輝くのだった。
ヒール・エンパイアからの5人目の刺客、カサンドラに勝利した時、セレスティアは、リングコーナーに立ち、高らかに宣言した。
「私は負けない!どんな相手が来ても、私の道を阻むことはできない!」
セレスティアの声が観客席に響く。その瞬間、ファンたちの歓声が彼女を包み込んだ。
ずっと観客席で試合の様子を見ていたクイーン・ヴィクトリアが突如、立ち上がっていった。
「私が送り込んだ刺客をあなたが必至に闘っていく様子を見るのは、なかなか面白かったわ」
クイーン・ヴィクトリアは冷笑を浮かべて続けた。
「でも、飽きてきたわ。次の試合であなたの限界を見せてもらおうかしら。次のあなたの相手はこの私よ。時間無制限の一対一の勝負、これでヒール・エンパイアとあなたとの決着をつけようじゃないの!」
クイーン・ヴィクトリアの言葉に、セレスティアは目を見開いた。彼女はクイーン・ヴィクトリアが自らリングに上がることを予想していなかったのだ。
「…クイーン・ヴィクトリア、ついにあなたが立つのね? それならば、私も全力で受けて立つわ!」
「ふふ、いい覚悟ね。あなたのその情熱、私が打ち砕いてあげる。」
クイーン・ヴィクトリアは残酷そうな笑みを浮かべ、挑発的な視線を向けた。セレスティアはその言葉に奮起し、自らの拳を握りしめた。
「私の闘志は、あなたの冷酷さを超えてみせる!」
観客の興奮が高まり、運命の戦いが始まろうとしていた。