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【書籍2巻まで発売中&コミカライズ連載中】公爵夫人に相応しくないと離縁された私の話。  作者: 池中織奈
番外編

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お茶会への参加 ①


「お母様は、今日お茶会に参加するんだよね?」

「ええ。そうよ」



 私は娘であるラウレータの問いかけにそう答える。



 私、クレヴァーナは王弟であるカウディオの奥さんとして、王族としてこの国に居る。基本的に研究をしたり、進めている事業についての作業ばかりに勤しんだりしてはいるけれどたまにはお茶会などに参加することもある。

 離縁された当初は、その後の未来で貴族の参加するようなパーティーやお茶会に参加することは二度とないだろうなと思っていたのに定期的に参加することになっているのだから、本当に不思議な感覚になる。




「お茶会って何をするの? お喋り? お母様、ドレス着るんだよね?」



 にこにこしながらラウレータに問いかけられる。


 自分の娘だからという贔屓目もあるだろうけれど、とても可愛い。ラウレータの可愛いところや良いところは幾らでも言える。子供は一様に可愛いものだとは思っているけれど、一番身近にいるラウレータはやはり私にとっては特別な存在だ。

 聡い部分もあって、すぐに気を遣う。だけれども私やカウディオ相手には甘えた様子を見せる。子供らしい姿を見るとほっとする。



 甘いものを食べた時は満面の笑みを浮かべていて、その様子を見る度に幸せだなと思ってならない。

 離縁された当初はもう二度とこんなに可愛い娘と会えないかもしれないと覚悟をしていた。



 だからこそより一層、ラウレータと過ごせる日々がただただ幸福なことだと思う。




「そうね。皆でお喋りをするのよ。美味しいお菓子も並べられていて、綺麗なドレスを皆、着ているわ」

「そうなんだぁ。じゃあこれからお母様は着替えるんだね。普段のお母様ももちろん大好きだけど、ドレスを着ているお母様を見るのも好きだよ。だって、凄く綺麗なんだもん」



 にこにこしながら、ラウレータがそう告げる。



「そうなのね。今度、子供も参加するパーティーやお茶会があったら一緒に行きましょう。あなたが着飾っている姿を私も幾らでも見たいわ」



 私がにっこりと笑ってそう告げると、ラウレータは目をキラキラさせて嬉しそうに頷いた。

 やっぱり可愛いわ。


 今回のお茶会は大人だけが参加するものだから、ラウレータを同行させることは出来ない。無理を言えば許可されるかもしれないけれど、流石にそれはしたくないもの。

 幾ら王族に連なる者だったとしても、周りに迷惑をかける事はしたくない。周りから特別視されることも多いけれど、私は自分が特別だなんては思っていない。ただ私はやりたいように、自分の証明をしているだけなのだから。




「私、お茶会とかに参加出来たらお友達とかもっと出来るかな?」

「そうね。同年代の子供達も来るだろうから、仲良く出来ると思うわ」



 私はラウレータならば、どんな子とでも仲良くなれるとそんな風に思っている。親の贔屓目かもしれないけれど、ラウレータは凄く優しい子だもの。それに人を思いやれるからこそ、誰からも好かれる気がする。

 ラウレータはどんな未来を歩むんだろう。



 好きなように、やりたいように……生きて欲しいな。ラウレータがそんな未来を選び取ることが出来るように、私やカウディオは親として道を示していきたい。

 ……こんなに素直で可愛いラウレータも大きくなったら反抗期が来たりするのかしら。

 子育てを経験している貴婦人の方々と話していると、反抗期の話を聞いたりしたわ。その子の性格によるらしいけれど……、どうかしら?




「ただ無理して仲良くする必要はないからね? 人には合う合わないがあるから、どうしても仲良く出来ない場合もあるもの」



 私が血の繋がった実の家族と、相入れなかったように。どうしようもないことや分かり合えない場合も無くはない。

 私が魔術を使うことが出来なくなったというただ一点のみでそうだった。

 価値観というものはその家や国によって異なるから、分かり合えないことは当然ある。




「うん、そうする。私も嫌な雰囲気の人とか、最初から私と仲良くしたくないっていう人とは仲良くは出来ないもん」

「そうね。それがいいと思うわ。これから先の未来、ラウレータは色んな人に出会うはずなの。だからその時に悩みがあったら私やカウディオに相談してね。それか私達に相談しにくかったら、別の誰かにでもいいわ」




 頭を撫でながら私が告げた言葉に、にこやかな笑みを浮かべているラウレータ。



 もし何かラウレータの身にあったら、私は全力でラウレータを助けるために行動するだろうなと想像が出来る。今の所、ラウレータは悩みはそこまでなさそうだけど、悩みを抱えていないかちゃんと観察をしておかないといけない。



 そんな会話をしている私とラウレータのことを侍女達は穏やかな表情で見つめている。

 侍女達もとても感じの良い人達ばかりだ。元々カウディオが雇っていた侍女達もそうだけど、新しく雇った侍女に関しても良い人材ばかり。



 侍女として働きたい人が居れば、この屋敷で雇ったり、それか知人の家に紹介したりなども進めている。

 相談窓口も変わらず稼働しているけれど、別の方面からでも働く人口を増やせるように動いてはいるの。



 お茶会では初めて会う方もいるだろうから、侍女を探していないかなども聞いておこうかしら。

 私はそんなことを考えた。



 そしてその後、私はお茶会に参加する準備を始めるのだった。


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