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【9/10二巻発売・12/25コミカライズ連載開始】公爵夫人に相応しくないと離縁された私の話。  作者: 池中織奈
番外編

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ラウレータの小さな冒険 ⑤

 少年の名前は、レルジミーというみたい。この国にはお父さんのお仕事でついてきたんだって。

 それで王都を探索している中で迷子になってしまったらしい。



 言葉も通じない中で、どうすればいいか分からなかったみたい。それに良いところの子供だから、誘拐なども警戒して近づいてくる人たちと距離を置いていたんだとか。



『私、少しだけ、言葉、喋る。一緒の人、どこ?』



 私が理解出来るのは全ての言葉じゃない。難しい言葉とかだと、当然よく分からない。でもお母様が色んな言葉で私に話しかけてくれるから自然と覚えた。




 私は他の人達がどんなふうに過ごしているかとか全く分からない。けれど『花びら』や文官の人達に聞いている限り、そう言う風に色んな言語を学べる環境ってなかなかないみたい。

 私はお母様と一緒に沢山のことを学んでいたから、こうして喋れて、迷子の男の子と会話を交わすことが出来んだもん。



 そう考えると、私のお母様って本当に凄い。

 少年の言葉の中で、分からないものも当然あった。お母様だったら、きっと全て分かるんだろうな……。私はお母様の娘で、周りの人たちは私に対して沢山の期待をしている。だけれども私は実際に周りの期待通りの行動が出来ているかは分からない。寧ろがっかりしている人はいるのかも。



 ――でも、そういう周りの目のことはあんまり気にしていない。だって私とお母様は違うんだもん。



 お母様もディオ父様も凄い人だからこそ、二人と同じ働きを求められたりしてしまったりする。基本的にお母様もディオ父様もそういうよく分からないことを言ってくるような人たちに関してはあんまり近づけさせないようにしてくれている。




 それでもそう言う声が聞こえてくることはやっぱりあったりするのだ。

 そう言う人たちって、自分達だって同じことが出来ないのにお母様とディオ父様の娘である私にだけああしてほしいこうしてほしいなどを求めてきたりするんだよね。

 この目の前の子も、私がお母様とディオ父様の娘だって知ったらどういう目を向けてくるんだろうか。……あんまり変な風に変わらなければいいなと思った。




 私の世界は、お母様とディオ父様が関わらない出会いってほとんどない。だからちょっと楽しい気持ちになっている。

 私は周りの人達に頼んで、男の子と一緒に居た人たちのことを探してもらうことにした。



『人、見つかるまで、一緒に遊ぼう』


 私がそう言って誘うと、少年は少しだけ躊躇した様子を見せていた。

 こんな状況で楽しんでいいのだろうかとか、そんなことを考えているのかもしれない。





『でも……』

『ほら、いいから。私、王都、少し詳しい』




 少し、とそう口にしたのは、私がいつも王都をぶらついているわけではないから。

 もっと私が王都を毎日歩いているとか、沢山のお店にいっているとかだったらもっと案内出来たんだろうな。



 でも私は時折しか王都を歩かないから、知らないお店も沢山あるんだ。



 これでなんでも知っているって、そう言えたらかっこよかったのにと少しだけ残念だったりする。

 この男の子は、喋るのが少しだけ苦手なのかもしれない。人見知りなのかな。




 それとも私のことを警戒していたりするのかも。

 私はそんなことを考えながら、沢山話しかけた。

 あんまり本人のことを教えてくれないのだけれども、沢山聞いたら少しずつ分かることも増えてくる。




 甘いものが好きみたい。

 それが分かったらから、おやつを食べられるお店へ向かうことにした。

 男の子で甘いものが好きなことをあまり周りに言いたくなかったみたい。だから恥ずかしそうにしていた。



 でも「私も、甘いもの好き」と口にしていたらそのまま受け入れてくれていた。




 お金に関しても本人は持っていなかった。どうやらおつきの人が持っていたみたい。だから途方に暮れて立ち尽くしていたのもあったみたい。

 どうやら少しお腹すいていたみたいで、私が奢るよと口にしたらお腹がすきすぎたからか頷いてくれた。



 いっぱい食べている。

 私はその様子をにこにこしながら見てしまった。

 だってこれだけ喜んで食べてくれているのは、嬉しいもんね。



 美味しいものを食べている時の顔って、皆幸せそうだよね。私、そういう顔を見るのが大好き。

 じーっと見つめていたら、恥ずかしそうに顔をそらされる。




『何、見ているんだ』

『幸せそう!』



 私がそう言ったら、やっぱり恥ずかしそうにしていた。

 その様子を見て、私は笑ってしまう。



 私もおやつを食べて、嬉しい気持ちになった。こうしている間に、他の人達はレルジミーと一緒に居た人たちを探してくれているんだろうな。すぐに見つかるだろうなと想像が出来るから、安心して過ごせる。



 ここで本当に私とレルジミーしか居ないって状況だったら、こんなにのんびりは出来ない。

 でも皆のことを私は信頼しているから、問題ないんだもん!!



 そういうわけでのんびりとおやつタイム中なの。一人でぶらぶらするのも楽しいけれど、レルジミーと一緒だとまた違う楽しさがあるよね。


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― 新着の感想 ―
 嫁にはやらんっ(乂`ꈊ´)(←予想されるディオ父さんの反応(笑))  100話達成おめでとうございます&明けましておめでとうございます(*`・ω・)ゞ今年もよろしくお願いいたします(*・ω・)*_…
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