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初めてのガールズバー

公英きみひで視点です。

初めてのガールズバーに緊張しきり……。


どうぞお楽しみください。

「こ、こちらです」

「へぇ……」


 歩いて二分ほど。

 一本路地を入ったところにそのお店はあった。

 名前は『猫BAR』。

 看板には大きく目と口を開き、両前足を顔の横に広げる黒猫の絵。

 ……BARと『いないいないばあ』をかけてるのかな?


「いらっしゃいませー!」


 扉を開くと元気な声。

 テンションの高さに若干引く。


「お席こちらどうぞー!」

「あ、はい……」

「きーちゃんご指名でよろしいですかー?」

「きーちゃん?」

「あ、あの、わ、私です……」


 あぁ、この子か。


「はい、お願いします」

「わかりましたー! 支度して来ますので、お席でお待ちくださーい!」

「は、はい」


 カウンターに座ると、きーちゃんと呼ばれた女の子がぺこりと頭を下げる。


「わ、私、支度して来ますので、しょ、少々お待ちください……」

「あ、うん、どうぞ」


 小刻みに震える女の子が、僕の返事を受けてお店の奥へと消えていく。


「じゃあきーちゃんの準備ができるまで、ご説明しますねー」

「お願いします」

「当店は飲み放題になっておりまーす。焼酎、ウイスキー、お好きな割り方でご提供しまーす。ビールや日本酒、シャンパンなんかは別料金になりまーす」

「わかりました」

「それと女の子の飲み物はサイズによって料金が違いまーす。お気に入りの女の子には、大きいサイズの飲み物を飲ませてあげてくださいねー」

「は、はい」


 料金表を見ると、一番小さくて八百円、一番大きいサイズは二千八百円となってる。

 一杯でこんなにするのか……。


「それと、お席のお時間は四十分二千円で、その後は四十分ごとに二千四百円の自動延長制になっていまーす。それと指名料が四十分ごとに千二百円かかりまーす」

「は、はい」


 えっと、それなら四十分なら三千二百円、一回延長したら六千八百円か……。

 飲み物を一、二杯奢ったとしても、一万円前後で済むんだな……。

 良かった……。


「それときーちゃん、今月から入った子で、お兄さんが初の指名なんですよー」

「そ、そうなんですか?」

「だからいっぱい話して、いっぱい飲ませてあげてくださいねー」

「は、はい……」


 僕も初心者なんですけど……。


「お飲み物、最初だけお作りしますねー。何がいいですかー?」

「あ、えっと、う、ウーロンハイで……」

「はーい」


 手慣れた様子で、カウンターの女性は飲み物を作っていく。

 ……胸元のざっくり開いたセーターで、前に屈むような形になると谷間がいやがうえにも目に入る……。

 そういうお店とわかっていても、何とはなしに罪悪感が……。


「あやかー」

「はーい」

「きーちゃん少し時間かかるから、お相手頼むわねー」

「はーい」


 あやかと呼ばれた女性が、僕に向き直りにっこりと微笑む。


「じゃあ少しお話しましょー。私あやか。よろしくねー」

「あ、はい……」

「せっかくだから乾杯したいなー」

「え」


 そ、そうか、そういうシステムか……。

 一番小さいの、かな?

 でも何かケチに思われるかな……。


「あの、じゃあこのMサイズで……」

「えぇー!? いいのー? ありがとー! お兄さん優しいねー」

「は、ははは……」


 ……この反応を見る限り、Sサイズでも良かったみたいだけど、今更変えられない……。


「じゃあかんぱーい!」

「乾杯……」


 プラスチックの軽いカップが、乾いた音を立ててぶつかった。

読了ありがとうございます。


ガールズバーの設定は適当です。

……適当ですってば。


次回はきーちゃんこと梗子きょうこ視点になります。

よろしくお願いいたします。

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