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え?私?わたし・・・ワタシ

ふと目を覚ますとそこは病院でした。


さっきまでの出来事を思い出し・・・夢だったのかとなんだか複雑な気持ちになった。


あの事故だ、相当なケガだろうと少し怖くなったがとりあえず自分の状況を把握したい。

私はナースコールを鳴らすことにした。


腕は何事もなかったかのように動き、私の目に映る。

・・・違和感。

腕も結構強くぶつけたはずだった。こんなにすんなり動くだろうか。

そういえば、血が出ていた頭や潰されたであろう足もやけに軽い気がする。

痛み止めか?・・・それとも。


私はゆっくりと起き上がり周りを見渡しながら、神様との最後の会話を思い出していた。


「異世界・・・まじか。これって転生?違うよね・・・憑依しちゃった系かな?」


元の自分よりも長くサラサラな黒髪。

今思えば腕も全然違う。傷どころか、毛穴一つ見えないほどの綺麗で白い腕だ。

顔を触ってみる。

つるつるのお肌。少し高く小さなお鼻。アラサー悩みの垂れ始めたお肌なんかじゃない。


「そうだ・・・。」


病院ならベッドに名前が書いてあるはず・・・。


「花野 ちなつ・・・。私の名前と似てる・・・ようで似てない。」


なんだか不思議な違いに笑いが漏れ出た。


「とりあえず、、今の状況だよね・・何か、ないかな・・・?」


もう一度しっかりと周りを見てみる。

一人部屋だ、いいところのお嬢さんなんだろうか。

けれど特に荷物が沢山あるわけでもなく、この状況がわかるものもなさそうだ。


「・・・?」


近くすぎて気付かなかった。

ベッドのすぐ横に少し小さめのスーツケースが半開きの状態であいていた。

中には・・・


「漫画・・・?」


しかも20冊以上の漫画、連載物だ。


「”ちはる日和”・・・ねぇ。・・・なんだろ、この主人公私に似て、る?」


1冊とって読んでみる。


パラパラ・・・。

パラパラパラ・・・・。

・・・・・・。


「これって・・・、私の物語・・・?」


そう、その漫画は主人公 花田 ちはるが夢を叶えるために奮闘し、叶えた後も色々な幸せを手にしていくストーリーだったのだ。


私と全然違う、私の物語・・・。

きっと、神様が言っていた本当の私の役割ストーリーなのだろう。


「この世界ではあの世界・・・私の世界が漫画として描かれていて、だから神様は私をここに・・・?」


漫画の世界に~なんて沢山想像してきたからか、自分の世界が漫画になっていることに対してはあまり驚きはしなかったが、自分の知らない何人ともわからない数の人が私の生活や考えを見ているのだと思ったら、なんだかおなかのあたりがぐぅっとなった。

しかもこの漫画の私は成功した人生を歩んでいる。

その時私は、漫画の私にとてつもなく嫉妬していたのだった。


「とりあえず、この漫画を読めばいいのかな。元の世界に戻った時に同じように動けばこの通りになるってことだよね・・・?」


もういちど漫画を最初から開いてみる。


漫画の始まりは幼稚園のお遊戯会から始まる。

お遊戯会で私の学年は演劇をしたのだ。

・・・おぼえている。

私はいつも演劇で、主人公に近い人物ばかりを演じていた。

不思議の国のアリスならアリスを、クリスマスの演劇なら聖母マリア様を。

演劇の時だけは私は何も考えず、ただただ楽しむことができた。

みんなに注目されている中で演じる事がとても気持ち良かった。


その時はあまり考えていなかったが、きっとこの時点で心のどこかではもう決まっていたんだろう。




私は舞台俳優になりたいって。





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