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現実にモンスター?ダンジョン?じゃあとりあえず狩りますね。固有スキルと称号で成長チート~サクサクレベルが上がってレベル上げが楽しいです~  作者: スクイッド
旧現実混乱編

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異世界の住人とまたまた戦闘(白目)(前)

 さて……聞こえてきた話の内容から推測するにこの五人はどこかしらから調査の依頼を受けてこの『ゴブリンエンプレスの巣』に来た……異世界だから……冒険者ってところかな?


 一瞬、調査と聞いてエスカリアさん達を探しに来たのかと少し焦ったけど、違うみたいだし。


 ……にしても、この人たち装備は良い物を使ってるな……特に武器。


 全員しっかり手入れされているし、どれもかなり上等な品に見える。


 防具も細かい傷が多数あるけどそれが歴戦の証のように思えるほどに使い込まれている。


 ゴブリン達の物とは比べられないし俺の武器と同等かそれ以上の物だ。


 俺の武器は俺が作ったやつだし、あの人達の装備はかなり良いものに見えるからしっかり本職の人、それもかなり熟練の職人が作ったんだろうな。


 そして、その異世界に続いている出入口から入ってきた五人はしばらく五人で話ながら俺のいる方に向かって来る。


「おい、お前ら気をつけろ……あの感覚からしてここはダンジョンだ。なにがあるかわから……ないん……だ……ぞ……」


 先頭を歩いていた男性が途中で言葉を止めて俺の方を見て固まる。


 というか目があった。


 男性が言葉を途中で止めたのをみて他の四人も不思議そうに顔を見合わせて会話していたのをやめて男性の視線を追って俺の方を向く。


 そして、固まる。


 ……いや、なにこれ?



「お、おま、おま」


 先頭にいる男性は俺を指差しながら口をパクパクとさせている。


 まるで金魚みたいに。


「あ、どうも」


 とりあえず構えてた両手鎌を下ろして会釈しておく。


「お、おう……ってそうじゃねえ!?お前誰だよ!?それになんでこんな所にいんだよ!?」


 あ、やっぱりそうなりますよね~……


 さて、なんて説明しようか……


 バカ正直にあそこにある出入口に繋がっている異世界から来ましたなんて言えるわけないし。


「……え~っと……」


「ちょっと!ガンツ!いきなり失礼でしょ!?この子だって戸惑ってるじゃない!」


「いや、でもよ……」


「でもじゃないわよ!まったく……ごめんなさいね。うちのガンツが……」


 俺が困っている様子を感じ取ったのか赤毛のポニーテールの女性が男性--ガンツさんに注意をして謝ってくる。


「あ、いえ。大丈夫ですよ。気にしないでください」


「ありがとう、優しいのね。それで?なんであなたはここに?見た感じ、私達と同じ冒険者のように見えるけど?」


 ……う~ん……


 ここで嘘をついて冒険者と答えてもいいんだけど、嘘だとばれた時が怖いよなぁ……


「実はですね……」


「待て!言わなくていい!!お前は今すぐ俺達の後ろに下がれ!総員!戦闘態勢!」


 俺が女性に答えようとしたら突然、ガンツさんが大声で怒鳴るように命じる。


 その声に反応して他の4人が素早く武器を抜いて戦闘準備を整える。


 突然なんだ!?


「どうしたんですか?」


 そう聞きながらガンツさんの言う通り、五人の後ろに下がる。


 わからないけど、今はこの人達が俺を助けてくれるみたいだ。


 でも、一体どうして?


 そんな俺の疑問はすぐに解決された。


「ゴブゥゥッ!!」


 俺が逃げてきた方からゴブリンの鳴き声が聞こえてきた。


 ……数は聞こえてくる足音からして大体十体か……


 その他にも鎧の動く金属音やゴブリン達の鳴き声も聞こえてくるから正確な数字はわからないけどだいたいこのぐらいだろう。


【気配感知】を使ってたのにあのゴブリンの声が聞こえてくるまで全く気づかなかった……


 それだけ俺も気が動転してたのかな……


「ほら!やっぱりゴブリンはここに逃げてたのよ!」


「わかったから叫ぶんじゃねぇよ!もうすぐそこまでゴブリンどもが来てんだろうが!」


 赤毛のポニーテールの女性が嬉しそうに叫ぶとガンツさんが頭を掻きながら面倒くさそうに答える。


 ……もしかしてこの五人の調査の依頼っていうのはゴブリンについてなのかな?


 ゴブリンを追ってきてたらしいし。


「ゴブッ!」


「ガァウッ!」


 そんなことを考えている間にゴブリン達が姿を現す。


【気配感知】を使って今度は見落としがないようにゴブリン達の数を数えると数は全部で十四匹だった。


 そして、気配の大きさと装備から考えるに内訳は普通のゴブリンが二匹、ゴブリンアーマーナイトが二匹、ゴブリングラップラーが二匹、ゴブリンスナイパーが二匹、ゴブリンアークメイジが三匹、ゴブリンハンターが一匹。


 それに加えてもう一匹、見覚えのないゴブリンの進化種がいるけど、ゴブリンクレリックが持っていたような杖を持っているからあの進化種は恐らくゴブリンクレリックの進化種だろう。


 ……さて……どうするかな……


「なるほどな、自分達じゃ勝てないと踏んでゴブリンナイト(・・・・・・・)どもに助けを求めるためにここまで逃げやがったのか」


 ……うん?

 今、ガンツさんゴブリンナイトって言ったよな?

 ……もしかしてだけど……


「そうみたいね。だけどまだ他にもいるかもしれないし警戒を怠っちゃダメよ」


「わかっているわよ。私は詠唱を始めるわ。ガンツ、サラ、任せたわよ!」


「おう」


「わかったわ」


「じゃあ俺は数を減らすぞ」


「皆さん、ケガはしないでくださいね」


 ……やっぱりそうだ。


 ガンツさんがゴブリンアーマーナイトの事をゴブリンナイトと間違えていたのに誰もその間違いを訂正しなかったってことは……


「行くぞ!」


 誰もあのゴブリンナイトがゴブリンアーマーナイトだと気づいていないんだ!


 そうだとしたらまずい!


 俺が驚いている内に五人がそれぞれゴブリン達に向かっていく。


 ガンツさんはバスタードソードを振り上げて、赤毛のポニーテールの女性--サラさんは弓に矢を構えて後衛のゴブリンアークメイジに狙いをつける。


 金髪ロングの女性はなんの魔法かはわからないけど詠唱を始め、顔を隠した男性は短剣を抜きガンツさんの後ろに続いてゴブリン達に突っ込み、銀髪を三つ編みにしている女性もなんの魔法かわからないけど詠唱を始める。


 魔法に詠唱するのか?という疑問も出てくるけどとりあえず今は……!


 俺は両手鎌を構えてガンツさんの後ろに追い付くために走り出す。


 出したままにしといて良かった両手鎌。


「え!?」


 後ろからサラさんの驚く声が聞こえてくるけど無視!


「オラァッ!!!」


 ガンツさんの気合いの入った声と共に振り下ろされる大剣。


 それをゴブリンアーマーナイトは手に持っている大盾を使って防ぐ。


 すると、バスタードソードと大盾が衝突したガンッ!という金属音が鳴り響き火花が散る。


「……は?」


 ゴブリンナイトと思っていた存在に止められると考えていなかったのか、ガンツさんは呆けた声を出す。


 後ろの様子は見えないけど、同じように動揺していると思う。


「ゴブゥッ!!」


「ゴブブゥッ!!」


 ゴブリンナイトが叫びながら大盾を振るうと、ガンツさんのバスタードソードが弾かれて手から離れてしまい、ガンツさんが無防備な姿を晒してしまう。


 そして、それに合わせるようにゴブリングラップラーが無防備なガンツさんに拳を突き出し、ゴブリンスナイパーが放った矢がガンツさんの脇腹を掠めて血を流す。


「ガァッ!!」


 ガンツさんは後ろに跳ぶことでゴブリングラップラーの衝撃を流していたけど完全に避けきれなかったらしく口から血が流れ出していた。


 だけど、ガンツさんの攻撃を弾いたゴブリンアーマーナイトじゃないもう一体のゴブリンアーマーナイトがガンツさんにシールドバッシュで追撃を加える。


「ガンツ!」


「クソが!」


「くそっ!」


 そのシールドバッシュをガンツさんはなんとか避けようとしているけど、ゴブリングラップラーの攻撃の衝撃を流すために後ろに跳んで着地しようとしていたタイミングだったこともあり、回避ができそうにない。


 サラさんもゴブリンスナイパーに狙われていて矢を撃ててないし顔を隠した男性もゴブリンスナイパーから放たれた矢からサラさん達、後衛を守るためか後ろまで下がっていてガンツさんを助けに行けそうな状況ではない。


 だけど、さっきまでの攻防で俺がガンツさんに近づけた。


「はぁっ!」


「がぁ」


 そして、ガンツさんにシールドバッシュしてきているゴブリンアーマーナイトの大盾に俺が飛び蹴りを放ち、ゴブリンアーマーナイトを吹き飛ばす。


 それと同時に吹き飛ばした勢いを利用して大盾を足場にしながらガンツさんの腕を掴みそのままサラさん達のところまで跳んで、ゴブリン達から距離を取る。


 ついでに弾かれてたバスタードソードも回収してね。


 ガンツさんをゴブリン達から距離を離すのにちょっと手荒になっちゃったけどそこは許してほしい。


「大丈夫ですか?どうぞ」


「あ、ああ。助かったぜ……」


 ガンツさんは俺に礼を言いながらバスタードソードを受け取って、ゴブリン達の方を見る。


「【ヒール】」


 すると、後ろから光がガンツさんに飛んでいき、その光に当たったガンツさんの傷が治っていく。


 飛んできた方を見ると銀髪を三つ編みにした女性がガンツさんに手のひらを向けていた。


「ありがとうよ」


「いえいえ」


 ガンツさんの回復が終わるとすぐにガンツさんは武器を構える。


「【ファイアアロー】!」


 すると、次は金髪ロングの女性の木製の杖から炎の矢がゴブリン達に向けて放たれる。


「「「グギャギャギャガギャー!」」」


 その矢に対してゴブリンアークメイジ三体も【ファイアアロー】を杖から放つ。


 すると、一本は相殺できたけど残りの二本の【ファイアアロー】が俺達に飛んでくる。


「【【ウインドアロー】】!」


 それを俺は両手鎌に魔力を流すのと同時に【並列思考】のスキルを使って【ウインドアロー】を二本同時に作り出して、飛んできている【ファイアアロー】にぶつけて相殺する。


 ぶつかり合った二つの魔法は、知力と魔力の差か【ファイアアロー】だけが消えて俺が作り出した【ウインドアロー】だけが残り、軌道が逸れた【ウインドアロー】は地面に直撃して土煙を上げた。


 ……連続で【ウインドアロー】を使う暇がなくて、初めて【並列思考】を使ったけど……失敗しなくて良かった……


 だけど土煙が上がってくれたお陰で、ゴブリン達からからは俺達の状況が見えなくなったはずだ。


「くっそ……なんでゴブリンナイトが俺の攻撃を弾けるんだよ……」


 俺の横でガンツさんが悔しそうに呟いていた。


「そりゃそうですよ」


「あん?」


「あいつ、ゴブリンナイトじゃなくてゴブリンアーマーナイトですもん」


「なんだって!?」


「ちょっと!それほんとなの!?」


 ガンツさんといつの間に近づいて来ていたのか金髪ロングの女性が声を上げて驚いていた。


「え~っと……あなたは……」


「私はマリナよ。って!それよりも、あいつがゴブリンアーマーナイトって話は本当なの!?」


「本当だよ。それに、ゴブリンアーマーナイトだけじゃなくてゴブリングラップラーにゴブリンアークメイジ、ゴブリンスナイパー、ゴブリンハンター、それにゴブリンクレリックの進化種もいるみたいだしね。普通のゴブリンが二匹いるのが救いかな?」


「クレリックの進化種となるとアークプリーストね……」


「嘘だろ……どいつもBランクのモンスター……集団だとAランクオーバーじゃねえか!」


「ガンツ!」


 ガンツさんが叫んでいると、サラさん達三人もこっちに来ていた。


「さっきの話が本当なら私達は勝ち目がないわ!」


「だからと言ってこのまま逃げるわけにもいかないだろ!」


「それはそうだけど命が第一よ!」


 サラさん達が言い争っているけど、確かに逃げたい気持ちもわかる。


 だけどそんなに言い合ってる時間はないんだけどなぁ……

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