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現実にモンスター?ダンジョン?じゃあとりあえず狩りますね。固有スキルと称号で成長チート~サクサクレベルが上がってレベル上げが楽しいです~  作者: スクイッド
現実大混乱編

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コカトリス(後)

「待ちやがれ!」


「待つ訳ないコケッ!」


俺とコカトリスは狭い廊下を走り抜け、階段を上ったり下ったりしながらコカトリスを追いかける。


コカトリスは時折後ろを振り返ってきているから、多分俺に見つかって追いかけられているのを確認しているのだろう。


コカトリスがバジリスクに出した人を殺さないという命令は自身にも適応されるらしく、先程からコカトリスは三階から二階を行き来しているだけで石化された人達がいる一階には降りていない。


ただ、それでも結構校舎の敷地が広いから、俺の攻撃もうまく避けられてなかなか追いつけない。


魔法で足止めしようにも今の俺の魔法はこの狭い廊下じゃ使えない。


「えっと、えっと、こっちだコケッ!」


コカトリスはなにか考えがあるのか廊下を左に曲がって俺の視界から消える。


「待て!」


それに続くように俺も廊下を曲がってコカトリスを追う。


【気配感知】のスキルがあるから見失うことはない。


だけどこれ以上、時間をかけて一階に反応があるバジリスク達が下りてきたら面倒な事になる。


ここは一気に決めるしかないな。


だけどなにかおかしい。


コカトリス、あいつの気配が廊下を曲がってから動きが止まった。


この先にも、壊されたりしてなかったら廊下は続いているし、行った先が教室になっている事もないから先に進めないなんて事はない。


……なにを考えている?


「コケェエエーッ!」


そんな俺の考えは直ぐにコカトリスの声によって掻き消された。


コカトリスは雄叫びを上げたかと思うと、口から紫色のいかにも毒々しい色の霧を吐き出す。


その霧はコカトリスの口から出て来た途端にどんどん広がり、廊下一杯に広がっていく。


「【毒の吐息】か!?」


俺は直ぐにその行動に見当をつけえ口を腕で隠すようにしてその霧を吸わないようにしてバックステップで距離を取る。


確かコカトリスのスキルには【毒の吐息】というスキルがあったはずだ。



口から出していたし、あの毒々しい色はもう間違いないだろう。


「【ウインド】!」



俺はとりあえず【風魔法】でこの霧をどうにかしようと試みる。


このただ風を出すだけの【ウインド】ならこの霧を吹き飛ばせるし校舎を壊さなくてすむ。


……多少なりとも校舎を壊してでもコカトリスを仕留める事を優先するべきだったか?


……いや、俺が使える【ウインドアロー】や【ウインドカッター】は範囲が限定されてるから吹き飛ばすことはできないか。


そして、そんな俺の狙い通り【ウインド】の発動と共にコカトリスの毒々しい霧は吹き飛ばされ、視界が開ける。


霧はコカトリスのいる方向に飛んでいき、コカトリスの姿が見えるようになった。


「コッコッコッコッコッ。かかったなコケー!!!」


霧が吹き飛ばされ、コカトリスの姿を視認できるようになった時、コカトリスはそう言って笑う。


……ヤバい……!


「コッコッコッコッコッ!!これでお前は終わりだコケーッ!!」


コカトリスの眼に魔力が集まっているのを感じる。


眼に魔力ってことは【石化の魔眼】を使うつもりだ。


廊下だと逃げ場がない。


それに、屋上でやったみたいに床を切り取って壁にする事も廊下だと両手鎌を振りきれないからそれも無理。


どうする……?


「コッココッコォーッ!」


コカトリスが勝ち誇った声を上げながらこちらを見る。


くっそ!


俺は直ぐにその場から離れるために来た道を戻る。


「もう遅いコケー!」


コカトリスはそう言うと、目を見開いてこちらに視線を向ける。


その瞬間コカトリスの眼に集まっていた魔力が解放されて魔力の波動が俺を襲う。


そして、その直前俺はなんとか廊下の左に曲がった所まで戻ってきて俺の身体をコカトリスの視界から外す。


コカトリスが俺の方を見ていた時間は数秒くらいだが、それでも充分だ。


コカトリスの放った【石化の魔眼】は俺が身体を隠しきれなかった右腕と右足に当たり、俺の右腕と右足を石に変える。


「ぐっ……」


俺は自分の身体が石に変わった事に動揺するけど、まだ石になっただけだ。


石になって動かせなくなっただけ。


それに、俺は【リカバリー】を使えば石化は治せる事を知っているからそこまで焦らない。


俺は直ぐに【リカバリー】を使って石化した部分を回復させるために左腕に魔力を流す。


「【リカバ「コケーッ!!!」」


だけどそんな隙は与えないとばかりにコカトリスは俺の方に突っ込んできて、足を振り抜いてくる。


……こいつ羽片方切れてるよな?何でそんなに速く動けるんだよ……


俺はコカトリスの攻撃を石化していない左手で持っている両手鎌で受け止める。


利き腕じゃないから多少力は入りづらいけど、それでも俺がコカトリスの攻撃を受け止める事は出来た。


「コケッ!?」


「お返しだ!」


俺はそのままコカトリスの足を弾き、コカトリスの体勢が崩れたところを狙って両手鎌を横に薙ぎ払う。


コカトリスは咄嵯に後ろに下がってそれをかわすが、それでも完全には避けきれず、少しコカトリスの首筋に傷を付けることが出来た。


……壁もまとめて切っちゃったけどまあ、許してほしい。


そして、今のやり取りでわかったが思っていたより利き手である右手が石化されたことがかなり響いている。


かなり両手鎌が扱いにくくなった。


耐性スキルはレベルが低くてそこまで効果を発揮しなかったのが痛いな。


だからといって諦める訳にはいかない。


正直、今のうちに石化してしまった右手と右足を治したいけど……


「コケーッ!痛いコケーッ!絶対に許さないコケーッ!」


「ダメだよなぁ……」


コカトリスはかなり怒っているようで、またもや【石化の魔眼】を使おうとしている。


コカトリスの目にはさっきよりも多くの魔力が溜まっているのがわかる。


……これはちょっとマズイかもなぁ……


俺はとりあえずコカトリスの攻撃を避けるためにバックステップで距離を取……れないよなぁ……


右足が石化しているせいでそれもできない。


……やるしかないか……


「これで今度こそ終わりだコケーッ!」


コカトリスが再び【石化の魔眼】を使い、俺の方を見る。


そして、それと同時に俺の視界は真っ暗になり、俺の身体は石になる。


そして意識が無くなる……はずだった。


「まあ、こればっかりは仕方がないよなぁ……」


今、俺の視界に写っているのはコッコッコッコッコッと笑い声をあげているコカトリスと完全に石化している(・・・・・・・・・)俺の身体(・・・・)


なぜそんな状況になっているのかと言うと、俺はコカトリスの【石化の魔眼】を受けた後、すぐに幽体離脱(仮)をしてゴースト(亜種)の状態になった。


ただそれだけ。


だけどあの状況じゃ出きることはこれしかないし、こうするしかなかったんだよね。


「コーッじゃないコッコッコッコッ。所詮人間なんてこんなもんだコケ!」


コカトリスは俺が完全に石化したと思い込んでいるようだ。


まあ、実際はちゃんと生きてるんだけどね。


それにしてもああやって油断しているならありがたい。


最初、俺があいつにどうやって攻撃したのかコカトリス覚えているのか?


忘れているならそっちの方が俺からしたら都合が良いから良いけど。



「くらえ!【ウインドカッター】!」


俺はコカトリスの後ろから【ウインドカッター】を放つ。


あいつは完全に油断していたのか、疲労が貯まっていたのかわからないが俺の【ウインドカッター】に気付くのが遅れた。


「コッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッコッ!コケーッ!?」


俺の放った【ウインドカッター】に気づくのが遅れたコカトリスは、なんとか回避行動は取れたが、その身体に決して浅くはない切り傷が出来る。


そして、コカトリスが俺の存在に気づいて警戒し始めたがもう遅い。


今のはコカトリスが油断していたから確実に当たった。


もし今みたいに避けられたら次は当たらなかっただろうな。


だけどそれは俺の魔法(・・)がという話だ。


今の俺には一撃でコカトリスを倒せるかもしれない手段がある。


コカトリスが次に俺が魔力を貯めるのに気づくために警戒しているがもう意味はない。


俺は【看破の魔眼】を使うように眼に魔力を流していく。


その魔力を感知したのかコカトリスはこちらに振り返るが、既に遅い。


コカトリスに通用するとは思わなくて使っていなかったが今のコカトリスになら通用するはずだ。


「【石化の魔眼】!」


今まで苦しめられてきたが今度は俺がコカトリスに対して【石化の魔眼】を使う。


「コケーーッ!!」


コカトリスの悲鳴と共にコカトリスの身体はジワジワと石に変わり、最終的にはコカトリスの身体は床に倒れる。


……なんとか勝てたか……


こうして、なんとか俺はコカトリスに勝つことが出来た。


……いや、本当に疲れた……

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