境界の管理者(3月19日改稿)
………ゑ?
どういうこと?
まあ、名前からしてこれが俺のステータスであることは確定だろう。
それに俺がステータスって言ったら出てきたしな。
本当に俺だよな? (疑惑)俺だな?(確認)俺だよな…(諦め)
しかし………これは本当にどういうことだ………
とりあえずこのステータスは何かしらのファンタジー的な力が働いてるのは間違いない。
そうじゃなかったらこんな摩訶不思議な物が現れるわけがないだろう?
そして、俺のステータスの能力値がどれぐらいのものなのか比較の対象がいないからわからないから能力値は置いておく。
だけど問題は種族だ。
人間、これはわかる。
ていうか人間じゃなきゃ困る。
だけどお前はなんなんだレッサーレイス。
なんで種族の所にレッサーレイスなんてあるんだ?
俺の両親は間違いなくどちらも人間だった。
これは確実だ。
だからよくある、実はハーフで半分人間、半分レッサーレイスとかは絶対にありえない。
てか、そのハーフっていうことが万が一事実だったとしてもこうやって人間/レッサーレイスっていう表示の仕方はおかしいはずだ。
ていうか俺の考えてる通りならレッサーレイスっていうことは幽霊だろ?
肉体を持っていない幽霊に子供が出来るわけがないと思うし、もし出来たとしても今まで俺が普通に生活できるわけないだろ。
まともに日に当てられない、今みたいな感じで幽体離脱みたいな状況になるとかみたいな状態になるはずだ。
つまり俺は今まで幽霊でもなければ人外でもなかった普通の人間だったということになる。
………いや、待てよ?
そういえば俺死にかけてたって病院の先生が言ってたよな………?
………もしかしてそれが原因だったりするのか?
俺が死にかけていた時にそのファンタジー的な力で俺にファンタジーな力をもらった時に死にかけていたから、お化け=レッサーレイスの理論でレッサーレイスが種族になったのかな?
………駄目だ情報が足りな『ピコン』うん?
「お?」
いきなり脳内に電子音が響いたと思ったら目の前にステータスに似た半透明のボードのようなものが出てきた。
えっと………これは?
ラノベとかみたいにめでたくファンタジーの仲間入りをしたばかりの俺には心当たりしかないんだけど………
というかなにかしらの面倒事の予感が………
でも見ないわけにもいかないよな~………
俺は恐る恐るそのメッセージの内容を確認する。
まずは差出人は………境界の管理者と………
………ふぅ………ですよねー!!!
やっぱりめんどくさい気配しかしねー!!!
このタイミングで境界の管理者とかいう、いかにもな名前だぞ!?
その名前の下に内容が書いてあるけど正直見たくない!
……いや、でも読まなくちゃ駄目だよな?
というか無視したらなにされるかわかったもんじゃないし、なにか情報があるかもしれないしな~……
……しょうがないか……
俺は諦めて境界の管理者という人?から送られてきたメッセージに恐る恐る目を向ける。
そこにはこんなことが綴られていた。
=====
【境界の管理者】
このメッセージを閲覧しているあなたは無事、死亡を回避しました。
ですが、あなたが生きているのはこちらのミスによるものです。
あなたが交通事故で死にかけていた頃、境界の防衛システムがダウンしてしまい《地球》にゴブリン2体、レッサーレイス1体が侵入してしまいました。
ゴブリン2体はこちらの追跡を振り切り未だ捜索中。
そして、レッサーレイスは侵入後、憑依できる体を発見。
それがあなた。
レッサーレイスはその後死にかけていたあなたに憑依を実行。
結果レッサーレイスはあなたの体を手に入れるための魂の勝負に敗北。
レッサーレイスはあなたの魂に統合され、あなたは人間でありながらもレッサーレイスの特性を手に入れました。
この影響で本来死ぬはずだったあなたはモンスターの生命力を手に入れ生き永らえました。
そして、こちらのミスであなたの《死》という《運命》をねじ曲げてしまったのも事実。
なのであなたに【鑑定Lv.1】のスキルを贈らせていただきます。
こちらのスキルを使用してレッサーレイス、スキルに関して理解を深め不幸な事故が起こることを避けてください。
何卒よろしくお願いします。
尚このメッセージは【鑑定Lv.1】の習得が確認されたら自動的に消去されます。
=====
「………は?」
そして、俺の中に何かが入ってくるような気がした。
するといま開いていたはずのメッセージが下からどんどん消えていく。
「って! おい! ちょっと待て!」
だけどそんな俺の願いは届くこと無く、メッセージは下からどんどん消えていき最終的には影も形もなくメッセージが綴られていた半透明のボードは跡形もなく消えてしまった。
「………まじかよ………」
俺はしばらく呆然としてしまったが気を取り直してさっきの文章について考えることにした。
まずさっきのことは俺は死にかけた時、憑依してきたレッサーレイスと俺の魂が統合された………つまり吸収されたってこと。
とりあえずそこはわかった。
わかりたくなかったし知りたくもなかったけどまあ、わかった。
まあ、とりあえずさっきまで考えていた事が全部無駄になったって言うのもわかった。
まあ、死の運命やらレッサーレイスと俺の魂が統合されたから助かったやら言われてたみたいだけどなにはともあれ生きられて良かった。
いや、冗談抜きで運が良かったんだな………
どんな確率だよ死にかけてるところにレッサーレイスが侵入してきて………うん?
さっきのメッセージを信じるのだとするとゴブリンも侵入してるって書いてあったような………
………うん、気づかなかったことにしよう。
境界の管理者さんも捜索中って言ってたし大丈夫だろ。
ダイジョブ、ダイジョ~ブ。
「ま、まあ、せっかく新しいスキルくれたみたいだし確認しとこうかな」
「ステータス」
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名前:神山 空
性別:男
年齢:16歳
種族:人間Lv.16/レッサーレイスLv.1
職業:学生
体力:160/240 魔力:110/110
攻撃:26
防御:20
俊敏:36
器用:46
知力:79
幸運:46
所持SP100
魔法スキル:なし
取得スキル:【暗記Lv.4】【速読Lv.2】【柔術Lv.1】【鑑定Lv.1】
種族スキル:【魔力操作Lv.1】【魔力増加Lv.1】【浮遊Lv.1】
職業スキル:【知力強化Lv.2】
固有スキル:【吸魂Lv.1】
称号:境界の管理者とコンタクトを取りし者
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これは……まあ……【鑑定Lv.1】はわかる。
さっきあげる的なこと言ってたしなにかが流れ込んでくるような感覚もしたからさ。
だけど問題はこれ、称号はどういうことだ?
もしかして境界の管理者さんってあのメッセージだけで称号になるぐらいの存在だったりするの?
………じゃ、じゃあまずはレッサーレイスから詳しい所をちょっと見ていきましょうか。
え~っと【鑑定Lv.1】の使い方はっと…なになに…ほ~ん詳しく知りたいものに鑑定というだけか。
俺が使いたいって思うと使い方が頭に思い浮かんでくる。
さてさて、それじゃあさっそく。
「【鑑定】」
俺がそう言うとステータスの上にまたさっきのメッセージのような半透明のボードが出てくる。
レッサーレイス
分類:魔物
レイスの下位種族。
種族Lv.が上がると進化するが進化するまで幽霊種共通の種族スキルである【吸収】が使えない。
「………これは中々………」
まあ、名前にレッサーってついてたからある程度予想はしてたけどやっぱり、普通のレイスの下位種族だったか。
それにしても、この【吸収】が使えないっていうのが気になるんだよなぁ………
効果がわかってないからなんとも言えないんだけど名前の響きからしてなんかめちゃくちゃ使えそうな感じがするんだけど………
………まあ、こればっかりはしょうがないか。
進化できるのが何レベルかわからないけど進化したら使えるようになるんだからそこまで待てばいいか。
それで一番気になるのが………
「【吸魂】なんだよな…」
俺の固有スキルらしい【吸魂】スキル。
固有スキルというのが俺特有のスキルなのか種族とかの特有のスキルなのかはわからないが固有スキルというだけで強そうに感じる。
それに、名前だけならさっきのレイスの【吸収】に似てるんだけど名前が物騒なんだよな~………
………まあ、とりあえず確認が最優先か………
「【鑑定】」
………!!
「これ………マジで?」