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新しい武器と魔力を纏わせる方法

 ずっと俺の武器が出来るまでフレアとダンケルクさんが鍛冶をしているのを見続ける。


 二人が槌を振るう度に火花が槌と金属を打ち付けた場所から飛び散り、金属に槌を打ち付ける音が響く。


 さらに、大分形になっていっていた両手鎌の刃の部分を【看破の魔眼】を使うと魔力が混ざっていることがわかる水にちょくちょく入れてその度に水蒸気が上がっていた。


 そして、そんな作業を何回か繰り返すと、両手鎌に形が整っていって、二人が手を止めて両手鎌を金床に置いたかと思うと二人は背中からぶっ倒れていく。


 ……うん?


 なんかおかしい光景が目に映ったような気が……


 ……いや、ゴブリンを殲滅するために走り回ってたから疲れてるのか。


 うん。そうに違いない。


「きっともう一回見たら普通の光景のはず……」


 そう思いながら目頭を揉んでからフレアとダンケルクさんの方にもう一度視線を向ける。


 そこにはやっぱりさっきと同じ体勢で倒れている二人の姿が……


「……」


 あれ? おっかしいなぁ……


 なんで同じ景色が見えるんだろうなぁ~……


 まあ、現実逃避は辞めよう。


「……フレア!ダンケルクさん!大丈夫ですか!?」


 ***


「いや~良い出来に仕上がっとるわ!」


「妾も過去最高の出来になったと自負しておるぞ!」


「それはよかったです……けどぶっ倒れるまでやるなんて……」


 あの後、背中からぶっ倒れた二人を慌てて助け起こした。


 結果としては火傷とかは無かったし、息もちゃんとしていたから本当に疲れただけみたいだ。


 熱中症とかかと警戒してたけど、そこはドワーフという種族熱には強いらしく問題なかったみたいだし。


「まあ、これから先のことを考えたらこれくらいでへばっとれんわい」


「そうじゃ!まだまだ作業はあるのじゃからな!」


「作業?」


「おう!まだこいつは完成してねえからな!」


「というわけでソラ。ほれ」


 フレアは両手鎌を俺に渡してきた。


 それを慌てて受け取るとずっしりとくる重さを感じる。


「おぉぅ……」


「ふふん!どうじゃ、素晴らしい武器であろう!?」


「確かに……これは凄いな」


 手に取っただけでわかる。この両手鎌がこれまで使っていたものよりも数段上の性能を持っていることが。


 ちょっと悔しいな。


 それに、元々使ってた魔鉄の両手鎌より少し重くなってるけど重心の位置も変わってない。


「これ、良いですね。俺の両手鎌よりも断然使いやすい。だけどこれでまだ完成してないんですか?」


「おう!まだやることがあるぜ!」


「魔力を流すのじゃ!」


 ……魔力を?


 それになんの意味があるんだ?


 まあ、言われたからにはするんだけどさ。


 俺は受け取った両手鎌に魔力を流す。


「……む?違う違う。魔力を流動させるのではない。魔力は武器に留めるのじゃ!」


「いや、意識してるんだけど出来なくて……」


 魔力を留めるっていうのはエルマと戦ってから挑戦してるんだけどどうしても上手くいかないんだよな。


「そりゃそうだろうな。あんちゃんは武器の声を聞いてねぇんだからなあ」


「……武器の声?」


 ……なんだそれ?


「馬鹿者!」


「グォッ!」


 俺が武器の声について悩んでいるといきなりフレアがダンケルクさんの頭をひっぱたいた。


 その衝撃でダンケルクさんが変な声を出すけどそれに構わずにフレアは言葉を続ける。


「いきなりそれだけ言ってもドワーフではないソラにはわからないじゃろうが!」


「お、おおそうか悪いなあんちゃん」


「い、いえ。お気になさらず」


「ダン(じい)じゃダメそうじゃな!ここからは妾が説明するぞ」


 俺がそういうとフレアさんが説明を引き継いでくれる。


「ソラ、さっきダンケルクがいった武器の声というのは簡単に言うとじゃな、その武器自体の魔力じゃ」


「武器自体の魔力……」


「そうじゃ。お主の魔力の流し方は武器自体の魔力にあわせずただ一方的に魔力を送っておる。それでは魔水につけて魔力を同調しやすくした意味がない。魔力をあわせるのじゃ。己の武器と一つに」


 なるほど……これまで魔力を留めることが出来なかったのは単純に俺が武器の魔力に俺が魔力を合わせてない。


 つまり武器に魔力を馴染ませてなかったから魔力を留めさせることが出来ず、魔力を纏わせることが出来なかった。


 ……まさかこんなに簡単なことだったなんてな~


 魔力を馴染ませるなんてもう経験済みだよ!


「お?」


 俺は病院で魔力暴走を治療した時のことを思い出して両手鎌から感じる魔力に自分の魔力をゆっくりと流して両手鎌の魔力に馴染ませていく。


 治療した時はこれでよかったけど、今回は俺の魔力を武器の魔力に合わせる。


 すると、武器の魔力と俺の魔力が段々馴染んでいって合わさっていく。


 そして、しばらく続けていくと、魔力を馴染ませて武器に魔力を留めることが出来た。


「上手くいったようじゃな」


「ああ!ありがとうフレア!」


「気にするな。じゃが、これでついに完成じゃ!」


「えっ!?でもまだ魔力を流し込んだだけ……」


「それが大事なんじゃよ。さてと銘はどうするかの……」


「銘、ですか?」


 俺は不思議に思って首を傾げる。


「うむ!妾とダン爺の最高傑作じゃ。唯一無二というべき最高の物を作ったからには相応しい名前が欲しいではないか。ダン爺も何か案は無いか?」


「俺か?……そうだな……」


 ダンケルクさんは顎に手を当てて考える。


 そして、しばらくして考えが決まったのか顔を上げた。


「よし!お嬢!こんなんはどうだ?」


 ダンケルクさんは俺に聞こえないようにするように二人だけで話し合い始める。


 なんだろう……少し寂しいな。


「……うん。良いのではないか?」


「なら決まりだな!お嬢教えてやんな」


「……わかったのじゃ!ソラ!お主の武器の銘を発表する!お主の武器の銘は魔鎌『月影』じゃ!!」

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。

続きが読みたいって思っていただけたのならブックマークと広告の下にある☆☆☆☆☆に評価をしてくだされば作者のやる気がマシマシになりますのでぜひお願いします。


懲りずに新作書きました。

必中のダンジョン探索~必中なので安全圏からペチペチ矢を射ってレベルアップ~

https://ncode.syosetu.com/n1100hu/


この作品の反省点を活かして書いておりますのでぜひ読んでいってください!

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