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侵入?いやいや、普通に入っただけですよ?(4月1日改稿)

「く、くぅ~………っ!」


 朝になり目が覚める。


 そして伸びをして気づいたがどうやら筋肉痛も大分良くなったみたいで痛みもほとんどなくなっていた。


 時計を見たら9時。


 本来だったらこの時間は学校へ行かなければならない時間帯で遅刻が確定してしまう時間だが、昨日爺ちゃんと話してしばらく休むことが決定したから特に問題なし!


 筋肉痛も既に治っているし、多分このまま動けるだろうし大丈夫だろう。


 そう思ってベッドから出てリビングに向かうと既に朝ごはんが机の上に置いてあった。


 今日は洋食みたいでウインナーと目玉焼き、サラダが皿に盛り付けられていてラップがかけられていた。


 だけど爺ちゃんの姿はなく、もう出かけたみたいでいなかった。


 まあ、元々爺ちゃんはこの家じゃなくて爺ちゃんの家に住んでるんだから誰も居ないのは慣れっこなんだけどな。


 それを確認した俺はパンを1枚トースターで焼きトーストにして、冷蔵庫からドレッシングを取り出して椅子に座る。


「いただきます」


 作ったトーストをかじりながらテレビをつける。


 昨日のニュースではあの楽泉山の事件について取り上げられていたが、今の時間帯のニュースではさすがに取り上げられていなかった。


 ………昨日から嫌な予感がしてるから、今日またなにか新しい情報はないかと期待したんだけど……


 まあ、これはこの時間に起きた俺が悪いな。


「ごちそうさまでした」


 食事を終えた俺は食器を流し台に置いて洗う。


 洗い物が終わってからはしばらくソファーで魔力操作をしながらゆっくり過ごしていたのだが、やっぱり嫌な予感が消えない。


 昨日、あのニュースを見てからずっと嫌な予感がしていたから、この嫌な予感の原因は楽泉山にあるのは確実なんだけど……


「よし! 考えてたって仕方がない!」


 結局いくら考えたところで答えが出るわけでもないんだし、直接行って確かめればいいだけじゃんね?


 最悪、爆上がりしたステータスなら滅多なことがない限りなんとかなるだろう。


 ということで準備を整えて、服を着替えて家を出る。


 まあ、準備を整えてって言っても持ち物は飲み物と財布、スマホだけだけどな。


「いってきます」


 誰もいないけど一応声をかけて玄関の鍵をかける。


 そして俺はなにかあった時のために【飛翔】スキルを使えるようにしとくため、魔力を使わないように自転車に乗って楽泉山に向かった。





 ~移動中~


 自転車を走らせること20分ほどでようやく到着した。


 自転車を止めて近づいてみる。


 だが、やっぱり死体が見つかったからか警察が既に規制線を張っていて数人の警察官が侵入されないように立っていた。


 少し離れたところにはマスコミらしき人が大量にいるし……なんか帰りたくなってきたな。


 でもここまで来たんだし覚悟を決めて行くしかないよな……


 それにしても改めて見ると本当にすげえ現場だよな……


 そんなことを考えながらまた近づいていく。


 すると俺に気付いた警察の人が話しかけてきた。


「君、ここからは立ち入り禁止だから入らないようにね?」


「あ、はい! すみません……」


 ……やっぱり無理か…ここで帰ってもいいんだけど、それだとここまで来たのが無駄になっちゃうからな……


 ……仕方ない、【飛翔】スキルを使うしかないか……


 なにがあるかわからないから魔力をあんまり使いたくないんだけどなぁ……


 そんな事を考えている内にも警察の人は話を続ける。


「おや? 君は学生さんかな?」


「まあ、そうですね」


「こんな時間にここに来るなんて、学校はどうしたの?」


 ………まずい、とってもまずい


 馬鹿正直に事故の大怪我が何でかは分からないんですけど、いきなり怪我が治っちゃってたから退院して、退院したばっかりなんで学校休んでます。


 なんて言ったら頭おかしい奴かと思われるし、そもそも境先生に言うなって言われてんだから正直に言えん!


 なんとか誤魔化さねば……


「いえ、特に用事はないです。学校もちょっと休んでて、ただ散歩してたらたまたまここを見つけまして」


「……そうなのかい? あまり危ないから近づかない方がいいよ? ちなみにどこの学校だい?」


「はい! 気をつけます! 失礼します!」


 よし、上手くごまかせたか? 誤魔化せたよな?


 これで納得してくれたようなので早く立ち去ろう。


 学校聞かれてるけど関係ない!


 これ以上突っ込まれる前に俺は逃げるぞ!!


 俺はそそくさとその場を後にする。


 後ろでは警官の人が誰かを呼び止めていたが、俺は振り返ることなく自転車の置いてあった場所まで行き、全力で自転車をこいで逃げた。


 まったく、人に呼ばれた奴はちゃんと止まれよな。


 そんな事を考えながらも自転車を漕ぎ続けて警察が規制線を張っていた場所から離れる。


 離れたら直ぐにスマホを取り出して近くのネットカフェ、マンガ喫茶を探す。


 ふっふっふっ…俺が簡単に諦めるわけないだろう?


 俺には秘策があるのだよワトソンくん。


 そしてすぐ近くに見つかったので自転車を置いてそのまま入店して席に着く。


 そして意識して幽体離脱(仮)をする。


 これが俺の狙い。


 元々入れないことはある程度察してはいた。


 だが、それは警察官が見えてる時だけだ。


 なら見えないようになってしまえばいいじゃない作戦だ。


 これなら見えないし触れないだろう。


 つまりこっちの方が安心感がある。


 そんな事を考えながら【飛翔】スキルを使って宙に浮かんで楽泉山の方を向く。


 ………さて、それじゃあ入らせてもらいましょうかね。













 楽泉山に侵入、ゲフンゴホン………入ることができた。


 やっぱり幽体離脱(仮)をすれば見つかるわけがないから簡単に入ることができたな。


 それじゃあ、探していこうか。


 嫌な予感の正体を………

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