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嫌な予感(4月1日改稿)

ついに10話達成!

だけど今回短いです!すみません!

「ただいま」


 誰もいない和風の家に入る。


 よく見慣れている家だ。


 まあ、俺が住んでいる家なんだから見慣れてないと困るんだけどさ。


 両親も死んでしまっているし、爺ちゃんは車に乗ってるんだから返事はもちろん返ってくるわけがない。


「空! すまんがワシはこのまま弁護士の先生の所に行ってくるからゆっくりしててくれ!」


「え、うん……分かったよ」


 爺ちゃんが俺の入院時の荷物を玄関に置くと慌ただしく出ていくと家は再びシンっと静まり返る。


 それから自分の荷物を持って居間に向かってソファーの背もたれに倒れこむように座り込む。


「さてと……イテテッ……何しようかなぁ」


 正直なところ俺は今、何をすればいいのか分からないでいた。


 普通は学校へ退院の連絡をしたり、リハビリしたりするんだろう。


 だけど退院の連絡はこんなに早く退院したって連絡したら俺の身体の回復の早さ(ステータス)が露見してしまうかもしれないし、そもそも境先生と口外しないって話をしたからできない。


 そしてリハビリだけど事故の怪我は治ったけど筋肉痛で体が痛すぎる。


 だけど先生の話によるとこれは筋肉痛らしいんだけどちょっとおかしくない?


 俺は事故のせいで大怪我しちゃったせいで約1週間とはいえ一切動けてなかったからむしろ筋肉が低下してしまっているはずだ。


 動いてたのは幽体離脱(仮)の状態の時だけだしな。


 まあ、いくつか仮説はできてはいる。


 1つ目は俺が【飛翔】スキルを使って魔力切れで落ちた時の痛みが体に戻ったことで痛みが出てきた。


 だけどこれはまずない。


 そうだとしたらステータスを初めて確認したときに頬をつねっているからその時にも身体に戻った時に頬が痛くなってないとおかしい。


 2つ目は進化してレッサーレイスからレイスになったから。


 だけどこれはまだ一回しか進化してないから確証がもてない。


 最後に、3つ目はステータスが、特に攻撃のステータスが爆上がりしたから。


 これならあり得るかもしれないけど確証はない。


 ……だけどこれな気がするんだよなぁ……


 体力が回復したことで俺の事故の大怪我が治っていたんだから幽体離脱(仮)の状態で変化したステータスも身体に影響することがわかった。


 そして、攻撃ステータスは力に関係している。


 だからその攻撃ステータスが一気に上がったことで身体に負荷がかかってその負荷に身体が耐えきれなかったから筋肉痛になってしまった。


 ……う~ん。


 やっぱりこれだとしか思えないんだよな~


 仮説の中だと一番筋が通っているからな……


 っと、そんなことを考えているうちに日が落ちてきた。


 時計を見ると6時半になっていた。


 晩御飯作らないと……晩御飯抜きになっちゃう……


「よっこい……アイダダダダダダッ!!!」


 動こうと思った瞬間激痛に襲われる。


「やばい……今日は大人しく寝とくか……」


 そして翌日。


「おはよう」


 起きて部屋から出ると朝ごはんのいい匂いがする。


 匂いのする方に行くと爺ちゃんが朝ごはんを作ってくれていた。


 いつ帰ってきてたんだ……


「おう、おはようさん。今日の朝ごはんは和食じゃぞ! 美味そうじゃろ?」


 テーブルには白米に味噌汁、鮭の西京焼きに卵焼きというTHE・日本の朝食といった感じだ。


「うん、すごくおいしそう!」


「ふぉっほっほ! それでは食べるとするかのう!」


「うん!いただきます!」


 2人で手を合わせて食べ始める。


「うん、おいしいよ!」


「そうか、それはよかったわい。ところで空よ、学校とかはどうするつもりなんじゃ? 転校するにしても手続きとかあるだろうしなぁ……」


 確かに、そうなると面倒臭いことになるかも知れないしずっと通っている学校だから転校っていうのはできるだけ避けたい。


「うーん、しばらく休もうかな。流石に半年ぐらい休みが続くと怪しまれるかもだけどそれでも1ヶ月ぐらいならなんとかなるんじゃないかなぁ……」


「ふむぅ……それもそうかもしれんなぁ。だが一応どれぐらい休むかは担任の先生に連絡しておくとするかのう」


「わかったよ。ありがとう爺ちゃん」


「別に気にするな。それより今はゆっくり過ごすことだけ考えときなさい。あの大怪我が治ったとは言え、異常な回復力が世間にバレたら困るのはワシも一緒じゃからの」


「うん、分かった」


 その後は朝御飯を食べ終わると片付けをして俺はソファーの上で横になる。


 やっぱり筋肉痛だけど体は動かした方がいいのか?


 そんなことを考えながら何気なしにテレビの電源をつける。


『次のニュースです。昨日未明、■■県楽泉市の楽泉山で男性の遺体が発見されました』


「……え?」


「む? なんじゃなんじゃ?」


 今テレビの中でアナウンサーが言った地名は俺の住んでいる場所だった。


 その音が聞こえたのか爺ちゃんもニュースを見に来る。


『警察の調べによりますと遺体は見るも無惨な状態で発見されており、警察は身元の確認を急ぐと共に地元住民に警戒を呼び掛けていくとのことです』


「………爺ちゃん、これって」


「…うむ。昨日先生が言っていた事じゃろうな」


 俺と爺ちゃんが会話している間にもキャスターの話は進んでいた。


「死者が出ちゃったのか………」


「うむ…しかし普通の死体ではなく無惨な死体か………」


『楽泉山では穴が掘られていたり、森の草が結ばれていたりなどしており、人為的な犯行として調査を続けています』


「「……」」


 俺と爺ちゃんは何も言わずにただじっとその画面を見ていた。


 なにか嫌な予感がする………


 おかしいな俺そんな直感系のスキルは持ってないんだけどな………


 だけどその日、爺ちゃんが弁護士さんとの話し合いが長引いたのと、俺が動こうとしてもまだ筋肉痛が酷くて動けなかったのもあって特になにもおきることもなく1日を終えた。


 そして、その日嫌な予感が止まることは無かった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

続きが読みたいって思っていただけたのならブックマークと広告の下にある☆☆☆☆☆に評価をしてくだされば作者のやる気がマシマシになりますのでぜひお願いします。

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