冬の到来①
そして、何事もなく平穏な日々が続き、季節は冬にさしかかろうとしていた。
お母さんがお店のドアを開けたら、突如冷たい風が入ってきた。
寒っ!!何これ?!寒すぎる!! 日本とは比べ物にならないよ!
この世界の冬はとっても寒いらしい。
…ここ、ロシア並に寒いんじゃないの?
行ったことないけど。
自然と鳥肌がたち、震えがとまらない。
ちょ、ちょっと。お母さん、ドア閉めて!!
凍死するぅぅ!!
…お母さん、もしかして、寒くないの?
私は、お母さんの表情が少しも変わっていないのに気づいた。 お母さんは寒そうな素振りを見せずに、平然と開店の準備をしている。
…最強だ。うちのお母さん、まじ最強。
ここの世界の人達は、皆この寒さに耐えてるの?!
どうして耐えられるの?! こんなの、少し外に出ただけで死ぬよ!! 室内でもこんなに寒いのに!
うぅ、せめて、あの暖炉の前まで行きたい。
「うわぁぁぁぁぁん!」
私は泣いてお母さんを呼び、暖炉に向かって指を指し、一生懸命に訴えた。
暖炉の前に行かせて!!お願い!!
「リゼ。そんなに寒かったのね。ごめんなさい。」
私の必死な訴えは通じたようで、お母さんは私を暖炉の前まで連れて行ってくれた。
とりあえず、一件落着。
…暖炉の前でも十分寒いんだけどね。
…せめて、もう1枚お布団がほしいよ。
私、死ぬまでこの寒さにずっと耐えなきゃいけないの?
うぅ、なんか気が遠くなってきた。
冬の間だけ、元の世界に行きたいな。
月日は過ぎ、舞台は冬になってきました。
日本と段違いに寒い冬。
りさはこの寒さにいつまで耐えられるのか…?
次は冬の、ここの家での生活について書きます。
よかったら見ていってください。