私の友達
1歳になってからも何事もなく平和な日常が続き、私は5歳になった。
…何事もなかったって言ってるけど、色々大変だったんだからね!冬とか、冬とか、冬とか!
5歳になったので、私は当然、歩けるようにも話せるようにもなった。
歩けるのと話せることがこんなに大切なことだって知らなかった。 もう、感動ものだよ!
そして、私には友達ができた。
赤ちゃんの時から知っていたローサと、最近知り合ったルークだ。
ローサは桜色の髪の毛をボブにしていて、タレ目ぎみの黄色い瞳をしている。
全体的におっとりした雰囲気で、すっごく可愛い。ここら辺でも評判らしいよ。
最初はローサに少しだけ敵対心を抱いてたけど、今はすっかり仲良くなっちゃった。
…私につばをかけたことを全然覚えてないの、ちょっとムカッとするけど。
ルークはオレンジ色の天パがかった髪の毛で、瞳は黒に近いオレンジだ。
性格は…悪く言えば強引。
元気すぎて、好奇心旺盛すぎて、すぐどこかへ走り出してしまう。
私とローサはしょっちゅうルークに振り回されて、めっちゃ大変なのだ。
ちなみに私は、ふわふわした黄色の髪の毛で、オレンジ色の瞳をしているらしい。
髪の毛の色は目で見れるからわかってたけど、瞳の色がオレンジだなんて初耳だった。
髪型はツインテールにしている。私は、邪魔だからポニーテールにしたいって言ったんだけど、お母さんはツインテールが気に入ってるからもう諦めた。
…元の世界ではツインテールなんてしたことがなかったよ。
なんせ私は、ブサイクだったからね!
私も美人って皆からは言われてるけど、絶対ローサの方が可愛いと思う。 私、元の世界でもあんな可愛い子、見たことないもん。
「お母さん、お父さん、今日もローサとルークと遊びに行ってきます!」
最近は毎日、2人と町で遊んでる。
町はお店がいっぱいあるし、賑やかだからすごく楽しい。
お小遣いをもらって、たまに気に入った物を買ってるんだ。
「わぁ、今日も賑わってるわね!」
ローサが黄色い瞳を輝かせながらそう言った。
「ローサ、リゼ、ごめん。今日は僕、遊べないんだ」
ルークが悲しそうに目を伏せてそう言った。
「いいけど、何で?」
「母さんにお使い頼まれててさ、野菜を買いに行かなきゃならないんだ。」
「そっか。じゃあしょうがないね。ルーク、バイバイ。
…リゼ、今日はどこのお店に行きたい?」
私とローサがルークを見送っていると、ローサが尋ねてきた。
私は少し考えてから、こう言った。
「うーん、私はちょっとアクセサリーを見に行きたいな。ローサ、一緒に行かない?」
私は最近、アクセサリーのお店を回るのにハマってる。
ここのアクセサリー、すっごい綺麗なんだよね。
心が躍っちゃうよ。
「またリゼはアクセサリー?もう、飽きないね~」
ローサが苦笑ぎみにそう言った。
…だって女の子なんだもの。しょうがないじゃない!
てか、ローサも女の子でしょ?アクセサリー付けたら、もっと可愛くなると思うんだけど。
「まあいいや。リゼ、暗くならない内に早く行こ!」
そう言ってローサが私の手を取って走り出した。
道端を歩いていると、私はふと、1人のおじいさんが路上で アクセサリー売ってます と書いてある看板を持っているのを見つけた。
うーん、見るからに貧しそうだし、汚そうなおじいさんだけど、少し見ていってみようかな?
気になるし。
私はゆっくりとそのおじいさんの方へ歩き出した。
「ちょ、ちょっとリゼ!あの人のアクセサリーを見るの?!もっといいお店とかあるんじゃない?!」
ローサが焦ったようにそう言ったけど、私は気にしない。
…なんか、よくわかんないけど、すごい物が売ってる気がするもん。
「大丈夫。少し見てくだけだよ。多分、何も買わないから」
「…わかったよ。少しだけだからね。あのおじいさんの目、切れ長でちょっと怖いんだよね。」
…顔は関係ないよ。もしかしたら、すっごく優しくてお金くれるかもよ?
私は苦笑しながら、ローサと手を繋いでおじいさんの前へ立った。
いつの間にブックマークの人数が少し増えてて驚きました。すごく嬉しいです。
本当にありがとうございます。
誕生日から4年後、リゼが5歳の時が舞台です。
リゼはたくさん友達ができ、町で遊んで充実した毎日を送っていました。
ある日、ローサと、アクセサリーを売っているいかにも貧しそうなおじいさんを見つけます。
リゼは何か不思議なオーラを感じ、おじいさんのアクセサリーを見ようとしましたが…?