幼馴染の独白
僕は王弟アルージェの息子アルードだ。
幼馴染のレティシアが馬鹿な従兄弟のせいで国外追放となった。ルーカスは叔父に遅くにできた子供であったからか甘やかしすぎたのだろう。
事件が起こったのは、ちょうど僕が他国に行っていたときのことだった。帰って来ると、王宮では大騒ぎになっていた。
父に話を聞くと、あいつが冤罪で可愛いレティシアを断罪したそうだ。賢いレティシアは録画魔道具で証拠を残していたため、冤罪だと証明された。僕もそれを見せてもらったが、あまりにもひどい。もちろんシュトラス家に非はない。
レティシアは僕の初恋でもあった。幼いときから、父親同士の仲が良く良く屋敷に遊びに来ていた。そして彼女は僕より5歳も下だったが賢く、話をしても飽きない大事な子だった。
そんな彼女に恋をするのは当然のことだろう。
しかし、そんな楽しい時間もあっという間に終わってしまった。彼女が6歳になって少しした頃、王命でレティシアが王子、ルーカスの婚約者になった。今までわがままを言わなかった彼女がそれだけは嫌だと訴えていたが、王命なので許されるわけがない。今思えば、あの時もっと早く彼女の婚約者に立候補すればよかったと後悔している。
今もなお行方がわかってない彼女を僕は探そうと思う。
叔父上は苦渋の決断で、ルーカスの王位継承権をなくそうと考えているそう。そうなると、王位継承権第2位は父上になるが父上はなる気はないため第3位の僕がなることになるだろう。
彼女がもう一度安心して暮らせるような国にしたいと思う。