第2話 断罪イベント
きらびやかなホールではすでにたくさんの生徒が集まっていた。
パーティーが始まろうとしたとき、ルーカス王子が前に出た
「パーティーが始まる前に皆に伝えたいことがある!
レティシア!俺はお前と婚約破棄し、新たにここにいるダリアと婚約する!」
会場がザワザワしはじめました。
「承知しました。しかし、私達の婚約は王命です。国王陛下にはおっしゃいましたの?」
「ふん!そんなことを言って!
そこまでして王太子妃になりたいのか!
お前のような"悪女"は王太子妃などにはさせん!」
あら、陛下には言ってないのですね。
それにしても…
「"悪女"ですか?身に覚えはございませんが?」
「この期に及んでまだしらばっくれるのか!
お前はダリアに嫉妬して、彼女の身分が低いことを理由に、さんざんいじめたそうじゃないか!」
「レティシアさ〜ん
ダリア、とぉ〜ても怖かったんですぅ
でもぉ謝ってくださればダリアはレティシアさんのことを、許してあげますよ〜」
「ダリア、なんて君は優しいのだ。
無理をしなくてもいいのだぞ!」
そう言って、ルーカスはダリアの肩を抱いた
いや、何なのこの茶番。バカじゃないの
「いじめた、おっしゃいましたが具体的な証拠はございますの?」
「証拠?
そんなもの、ダリアがそうだと言っているのだ。嘘を吐くわけがないだろう。
謝らないのであればもういい!
お前に国外追放を言い渡す!
ハロルド!こいつを外に連れていけ!」
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断罪イベントでの婚約破棄は覚悟(いやむしろあのバカ王子と結婚したくなかったからありがたいが)していましたが、まさか証拠なしで国外追放されるとは...
でも、念のため録画魔道具で記録しておいて良かった。
そう何を言おう私は前世の電化製品が欲しくて、自分で魔具を駆使して電化製品さながらの魔道具を作っていたのだ。
その録画したものと手紙を添えてシュトラス家に風魔法で送った。
もしものことを考えて、空間収納ポケットに生活用品を入れておいて良かった〜
んー国外追放されたし、アクティー帝国の辺境にでも住もうかしら♪
アクティー帝国は大国なだけあって、暮らしやすいそうなのだ。
それに私は前世から、料理が好きで店を持ちたいと思っていたのだ。
うん、そうしよう!
けどまずは姿を変えましょう
【変身】
格好も町娘風の地味なものになったし、辺境の街で家を買お♪とレティシアは新たに始まる生活にわくわくしながら道を歩きだした。
転移魔法を使ったほうが早く移動できるが、行き先がわかってしまうのでやめたのだ