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冒険者組合

翌日

朝から門の前には、列ができていた。


と言っても、昨日のうちに並んでいた者しかいないのだが。

後、朝になって気づいたのだが、日中は何やら騎士風の格好をした職員が門の外に数名でて、我々を守ってくれているようだが、夜間中は居なかった。


恐らく、勤務時間が門が開く早朝から、門が閉まるまでなのだろう。


つまり自己責任と言うわけだ。

この時ほど俺はキャンピングカーを持っていてよかったと思ったことはない。

今後は知らんが。


さて、俺はと言うと、朝起きた後に、屋根上に出て、伸びをしていた。

そこからは、朝日を浴びた城壁と、外からでもわかる町の営みが見えた。

再び和室に戻ると、他の四人が朝食をとっていた。


まったりとした朝で、俺が最後に起きてきたようだ。


「当夜殿、遅いぞ」


起きて早々声をかけてきたのは、アリアだった。


「朝はしっかり起きないと、一日がさわやかに始まりませんよ?」


アリスに説教の様なものを食らった。


「まあ、いいんじゃない?私は嫌いじゃないし、昼寝してるし」


盗賊の職業であるクリスだ。

盗賊業は夜間勤務だもんな。

そりゃ昼は寝るわ。


「ちょっと当夜、遅いから先に食べたわよ?」


ノリスが早起きしていた。

恐らくこの日一番の驚きになるだろう。


「って、ノリスが起きてるって今、何時だ?」


俺は、和室に備え付けの時計を見る。

時計は、たった今八時半を指したところだった。


「別に遅くないんじゃないか?」


前世的感覚で言えば、平日としては遅すぎるが、休日はこんなもんだった。

会社もないんだし、良いんじゃないか?


「何言ってるの当夜?ここは異世界よ?冒険者稼業だって獲物をとられればそれまで、人生は早いもの勝ちなのよ?」


異世界では正しい言い分なんだろうが、コイツに言われてムカっとするのは何故だろうか?


「いやでもな、こういう時くらいはいいんじゃないか?」


俺は、負けじと反論した。

そこに、言葉をかぶせてきたのは、アリアだ。


「当夜殿、冒険者組合などの集会所は朝が一番受付がいい。特に冒険者組合は朝の方が業務が手厚いと聞く」


何故か。

曰く、冒険者組合は二十四時間開いており、夜間勤務の人間が早朝まで、朝六時あたりから新しい職員に代わるらしい。

そして、冒険者は夜間でも門を通れるようだ。

冒険者には組合から発行された身分証明書が手渡され、それを提示すれば通れるらしい。


「ああ、そうなのね。悪かった。じゃあ、次からは気お付けるから。それより、そろそろ町に行くぞ」


「ちょっと、まってよ、今は食べてるんだから」


パンを口につめこんだノリスがそう言ってきた。

うるさい。


機嫌が悪い俺はどこまでも強引なのだ。


と言うことで、四人を外に出し、キャンピングカーを変化させ、やたら長いシックな馬車の見た目に変えた。


「どうだ、これでまだましになったろ?いいから行くぞ」


こうして、俺たちは町に入ることになった。


~~~~~~~~~~

「ん?なんだこれは?」


城門の検問をする兵士が目の前の馬車に困惑していた。


確かに見た目は馬車で、馬にも引かれているのだが、その長さが異常だった。

通常の1.5倍ほどの長さがある馬車など、王族でも持っていなかった。


検問の兵士たちが人を集めていた時、馬車の扉が開いた。

出てきたのは、シャツをにネクタイをした若い男だった。


「すみませんが、何かありましたでしょうか」


その男が、丁寧な口調で声をかけてきた。


「い、いや、特に異常と言うわけではないのだ。ただ、この馬車がな」


男は、少し困ったような顔をした。


「珍しいですかね?何分危ないところを通るので、魔導国の最新型馬車を注文し、特注したものなのですが…」


その説明で、兵士は納得した。


「なるほど、かの国ならばあり得るかもしれんな」


そうと分かればいつも通り、検問をする兵士だった。


~~~~~~~~~~

「通って良し」


検問の兵士に言われ、馬車を動かす。

危なかった。


いったい何を言われるのやら、ビビっていたのだが、特に何か変わったことをされた訳でもなく、ただ普通に検問され、中に入れられた。


何が問題だったか、一つ挙げるならば、それは変化したこのキャンピングカーだろう。

明らかな異彩を放っていた。


「まあ、通れたんだし、良いか」


こうして俺たちは町の中へと入ったのだ。


「あの、トウヤさん。町には言ったら、まずは冒険者組合に行くのが一番いいかと思います」


何故だろう。


「私たちの安否はすべて組合で管理され、依頼後一週間は行方不明、二週間で死亡となっていしまいますので、急ぎで報告した方がよろしいかと思います」


「そうだな」


こうしておれたちは、冒険者組合へ行くことになった。



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