表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2分間探偵の思い出  作者: 真波馨
CASE35:殺人エクスプレス
70/71

問題篇


「あの……あなた様が探偵でいらっしゃいますか」

 読んでいた小説から顔を上げると、制服を着た乗務員とスーツ姿の男が並んで私を見下ろしていた。

「いかにも。何か御用ですか」

「実は、内密のご相談がありまして」

 不安そうな顔の二人に案内されたのは、車両の最も奥まったところにあるプライベートルーム。扉を開けると、品のあるジャケットを着込んだ男がソファに横たわっていた。だが寝ているのではない。後頭部は陥没し、どす黒い血痕が付着している。死んでいるのは火を見るよりも明らかだ。この蒸気機関車「SLヤマト」にはさる有名俳優がお忍びで乗車しているとの噂を小耳に挟んでいたが、目の前の死体がまさにその人物だった。私は、乗務員とスーツの男(被害者の付き人らしい)から「機関車が目的地に到着するまで事を荒立てたくない。ついては内密に事件の調査をしてほしい」と頼まれたのである。

 複数の目撃証言により、被害者は乗車後に殺されたことが判明した。この機関車は途中停車しないから、凶器がまだ車内に残っているはず。だが、客室はもちろん機関室まで調べ尽くしたが血の付いた凶器はどこからも出てこない。窓から投げ捨てれば確実に客の目に触れる。

 私はもう一度、遺体をよく調べてみた。頭部の傷口を観察していると、ある見落としに気付く。

「そうか。()()が凶器なら隠滅も造作ないし犯人も自ずと限られるな」



Q:「私」が推定した凶器と犯人は?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ