問題篇
2021年お正月三本立て、第2話です。
「ゲームをしよう、探偵さん」
覆面の男が告げた。閑散とした地下室に、男の声が冷たく響く。
「この部屋に扉の鍵が隠されている。あんたはその鍵を見つけてここから脱出するんだ」
男はしゃがみ込んで、足元の蝋燭にライターで火をつける。
「制限時間は、この蝋燭が燃え尽きるまで。蝋が溶けきったら部屋が爆発する仕掛けがしてある。あんたは燃え盛る炎の中で、悶え苦しみ死んでいくってわけだ。さあ、名探偵のお手並み拝見といこう」
覆面男は、冷徹な笑い声とともに部屋を出た。外から鍵をかける音。私は完全に閉じ込められた。何としても、蝋燭が燃えきる前にここから出なければならない。
部屋を見回す。地下室にはいくつか不自然な物があった。ねずみ捕り器、牛乳パック、五色に光るおもちゃの水晶、ウール製のセーター、三猿の置物、赤い犬の首輪。いずれも干支の動物に由来するものだ。このアイテムの中に、部屋の鍵を開けるヒントが隠されているのか。
蝋燭をじっと睨む。ここでゲームオーバーになってたまるものか。ここを抜け出し、あの覆面を被った連続放火魔を捕まえなければ。
「放火魔……そうか、判ったぞ! 謎を解く鍵は――」
私は、六つのアイテムのうちあるものに手を伸ばした。
「――夢か」
薄暗い部屋の中で、私は目覚めた。
Q:「私」が地下室脱出のため選んだアイテムとは?




