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2分間探偵の思い出  作者: 真波馨
CASE30:浮気の理由
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問題篇


 ある女性から浮気調査の依頼を受けた日のこと。喫茶店で依頼人と話をした帰りに、ふらりと寄った書店で『レストランで食事が運ばれるのを待つ間に読めるミステリ』という本を購入した。以下はある問題篇の内容である。


 太郎と花子というカップルがいた。太郎は見た目に無頓着で地味な青年だが、「少しは外見に気を遣ったら」という花子のアドバイスを受け一念発起。今まで縁のなかったブランドの服やスキンケア用品を買いはじめ、数ヶ月ですっかり垢抜け伊達男へと変貌した。

 ある日、太郎が行きつけのメンズファッション店に出かけたところを花子は尾行する。彼女は、太郎の浮気を疑っていた。太郎は、一時間ほど店内を見て回り一着のジャケットを選んだ。顔なじみの店員は「太郎さんにとてもお似合いですよ」と胸の前でグットサインを作り、本人もまんざらでもない笑顔。太郎がレジで会計を済ませ、ほくほく顔で店を出たところを捕まえた花子は開口一番に言い放った。

「あなた、浮気してるでしょ。今日の尾行で確信したわ!」

 その日、太郎が花子以外の女性と接触した場面はなく、スマホにも誰かと連絡を取った形跡はない。では、花子はなぜ太郎の浮気を確信したのか。


「皮肉なものだな。彼女の助言が浮気のきっかけになるとは」

 近所のファミレスで注文した食事を待ちながら、私は複雑な気持ちで解答篇のページを繰った。



Q:花子が太郎の浮気を確信した根拠は?

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