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2分間探偵の思い出  作者: 真波馨
CASE27:愛煙家
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問題篇


 とある邸宅で殺人事件が発生し、私は氷室警部補に呼び出された。被害者の室井千慈(むろいかずしげ)は、書斎にて首をナイフで刺され絶命していたという。

「この家では今、遺産相続の協議が行われていてな。室井氏は長らく持病を患い、老い先短いことも自覚していた。だから事前に遺書を作成し書斎に保管していたらしい」

「だがその遺書が見つからない、と」

「ああ。犯人が氏を殺害後、現場から持ち出したと俺は見ている」

 警部補はスーツの内ポケットから、遺書の代わりにある証拠品を取り出す。よく見ると煙草の箱で、銘柄はCABINだ。

「これを遺体が握っていた。氏が特に好んでいた銘柄で、数年前に一気に買い込んだものだと家族が証言している」

 煙草の箱が手渡される。中を開けてみたが、肝心の煙草が1本も入っていない。

「室井氏は、その空っぽの箱を握って死んでいた。だが家族の話によれば、彼は重度のヘビースモーカーで片時も煙草を手放すことはなかったというんだ」

「そんな愛煙家の被害者が、空の煙草の箱を持つ理由……ダイイングメッセージか」

「しかし、容疑者にCabin(ケビン)という外人もいなければ、船室(キャビン)から船の関係者でもいるかと睨んだが該当者はゼロだ。お前はどう考える」

「そうだな。重要なのは、箱の中が空っぽということじゃないのか」



Q:被害者が空の煙草の箱で伝えたかったこととは?

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