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2分間探偵の思い出  作者: 真波馨
CASE15:春眠暁を覚えず
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問題篇


「まるで眠っているような死体だ」

 布団の上で仰臥している老人を見下ろし、鬼怒川警部は呟く。たしかに、春の日差しを燦燦と浴びている遺体の表情は穏やかでとても死人には見えない。胸に深々と突き刺さっている包丁がなければの話だが。

「春眠暁を覚えず、ですか。尤も、彼は永遠の眠りについてしまいましたが」

 私の皮肉を警部は無言で受け流し、第一発見者への事情聴取を開始する。遺体を最初に見つけたのは、毎週月曜日と木曜日に老人宅へ出入りするヘルパーの女性だ。

「遺体の上にお布団がかかっていたので、眠っているとばかり……でも、いくら声をかけても起きないので布団をはいでみたら、胸に包丁が」

 言葉を切って、静かに嗚咽する女性。警部は下手に同情しようとせず、己の職務を淡々とこなす。

「台所のテーブルに新聞がありましたが、あれは被害者が?」

「ええ。新聞が配達される朝の4時頃に、いつも目が覚めてついでに新聞を取りに行く習慣がありました」

「つまり、被害者が殺されたのは今朝の4時以降か」

「私、その時間なら近所のコンビニに行っていました」

 自分にはアリバイがありますよ、と女性は先回りして主張する。私はあることが引っかかり、被害者が回収したという新聞の日付を見る。さらに携帯電話を開くと、今日は4月の第二月曜日。

 私は、ヘルパーの女性がついた嘘をすぐに見破った。



Q:女性がついた嘘とは?

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