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2分間探偵の思い出  作者: 真波馨
CASE10:空っぽの椅子
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問題篇


「お願いです刑事さん。息子を、早く息子を助けてください」

 三島嶺子(みしまれいこ)は、ドーランを塗りたくったような白すぎる顔を鬼怒川警部に近づける。然しもの警部もその剣幕に圧倒されたように後退りした。

「落ち着いてください。息子さんを誘拐される心当たりはありますか」

「きっと、気狂いした息子のファンの仕業でしょう」

 誘拐された一人息子の八尋(やひろ)は、今を時めくイケメン舞台俳優として活躍していた。

「八尋さんは、この椅子に縛られて犯人から暴行を受けた。そして怪我した八尋さんをどこかに隠して身代金を要求してきたのでしょう」

 部屋の中央に置かれた無人の椅子を指さす警部。座面には綺麗な楕円状の血痕が点々と残されており、これはDNA鑑定により八尋本人のものと確認済みだ。

「背もたれに残っていたこのロープは、恐らく八尋さんを椅子に縛るときに使用した。失礼ですが、八尋さんのおよその胴回りは判りますか。腕を含めた胴の寸法です」

 警部の問いに、夫人は鼻をかんでから答える。

「私は、息子の舞台用の服を作ったことがあるので……ええ、ちょうどこのロープの長さくらい。多分ぴったりなのではないかしら」

「では、犯人がこれで八尋さんを椅子に固定させたのも間違いないな」

「そうでしょうか? 鬼怒川警部、この誘拐事件は八尋さんの狂言である可能性も考慮すべきだと私は思いますが」



A:「私」が事件を狂言誘拐と疑う根拠は?

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