表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dis a Star \Roar to Tomorrow/  作者: Lol提督
1/1

明日への咆哮

街中に轟音が鳴り響く。


それは、投擲音、爆発音、その音源となる物を避けていく人々の、あるいは受けた人の悲鳴。

そして惨劇を生んだ、敵国への怨嗟の声、怒号。


灰と化していく生まれ育った街を見て、ある少年が一人、逃げもしないでその場に佇む。

その少年が抱きかかえるは、少年が愛した妹。

両手で優しく抱擁する少年、彼は片手で妹の頬を愛しそうに撫でる。

その顔、少年が撫でた側面は街一番の美少女と呼ばれた彼女の美貌を保っていたが

もう片方は焼けただれて、原型を留めていない。


見るからに痛々しい状況なのに、

当の本人は呻き声すらあげない。


彼女はもう、死んでいた。


彼女もまた、愛していた兄の腕の中で息を引き取った。

苦しかったはず、痛かったはず、怖かったはずだ。

なのに、彼女は最後まで笑っていた。


少年は、彼女の焼けただれた唇にそっと口付けをして、

何かを決心したように立ち上がる。


その歪な左手を、天に突き刺すように掲げた後


今日叫ばれたどんな悲鳴よりも

今日放たれたどんな怒号よりも


一線を画したけたたましい声で、少年は()()()叫んだ。





その日、人類は同じ過ちを繰り返した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ