私の事なんて
この物語は完全なフィクションです。
間違った知識、おかしな点がある場合はコメントにて指摘をお願いします。
目が覚めると時計の針は6時を指していた。
ああ、そっか今日から休みなんだ…
もう少し寝れるけど全然眠たくない。これもうつのせいなんだろうか…仕方なく私は起きる。
お茶でも飲むか…
キッチンに歩みを進めると物音がする。
なんだろう…ああそういえばあいつが来てたな。
何やってんだろ…
キッチンに着くと
「おはよう。朝ごはん用意しといたぜ。ヨーグルトって鬱に効くんだよ。」
そう言いながら謙治は自分の分と私の分の朝ごはんを用意していた。
こいつ私よりも早く起きてた…
私は驚き返事に少し間ができてしまった。
「…おはよ。早かったんだね。朝ごはんありがと。」
一体何時に起きてたんだろ…
そんな疑問を投げ掛ける暇もなく私は椅子に座らされた。
「じゃあいただきます。」
「…いただきます」
用意されていたのはヨーグルトに2~3種類のフルーツが入ってるものであった。
私の事を考えてのメニューなのか?なんで頼んでもないのにこんなことをしてくれるんだ…
そんな事を考えながらヨーグルトを食べきる。
「ごちそうさん。今日は病院に行くんだろ?いついく?」
ほんとに来る気なんだ…
「お昼ごろ。朝ごはん食べたら眠くなったからちょっと寝る。」
そう言って薬をのみ私はベッドへと帰っていく。
布団にもぐり少したってから私は眠りについた。
起きたときには13時になっていた。
準備して行こ…
そう思い私は身支度をして行く準備をした。
そう言えばあいつは何してるんだろ…
謙治にはリビングで寝るよう言っている。
いるならリビングかな…
私はリビングに向かう。そこに謙治の姿はなかった。
なんなのあいつ結局いなくなるんじゃん…
お腹のそこで苛立ちが沸き上がってきた。
もういい。どうせ帰ってこないんだし、ここにいたのもただの気まぐれ何だったんだ。
どうしようもない苛立ちが沸き起こり私は足早に玄関へと向かった。
玄関の扉を感情に任せて思いっきり開ける。
ガンッ
止まるはずのない位置で扉が止まった。同時に鈍い音が響き、うめき声も上がった。
「うおぉぉ…いって~…お前勢いよく開けすぎだろ…俺じゃなかったらどうするんだよ…ここ角部屋じゃないから人も通るんだぞ…。」
謙治の声だった。
「…帰ったかと思った。どうせ私の事なんか気まぐれで助けてるだけなんだって…」
なぜか涙ぐんでいた。
「そりゃ帰ることもあるだろうけど戻って来るよ。荷物置いてるんだし、それに気まぐれで助ける分けないだろ。何言ってんだよ。」
若干怒り気味に謙治は言ってきた。
「寝てる所を起こすの悪いかなと思ってさ、その間にちょっと買い出しをしてたんだよ。そしたら予想以上に時間かかっちゃってさ。急いで帰ってきたんだけど、何?寂しかったの?」
ニヤニヤしながら問いかけてきた。
私は謙治に背を向ける。
「寂しいわけないじゃん。何年一人暮らししてると思ってんの。」
そう言って目元をぬぐった。
「のわりには涙ぐんで耳まで真っ赤になってるけどな。」
半笑いで言ってきた。
「知らない!!」
私は恥ずかしさと嬉しさを誤魔化すために早足でその場を後にした。
「ちょちょ、待てよ。悪かったって。」
そんな声が後ろから聞こえてきた。
自然と口角が上がっている。そんな気がした。
病院には結局2人で来た。
「じゃあ俺はここらで時間潰しとくからさ、しっかり治療受けてこいよ。」
そう言って謙治は病院の入り口でどこかへ行ってしまった。
中まで入らないのかよ…まあいいけどさ。
私は病院の中へと入っていった。
中では医者からの話を聞いたりと色々した。自分の状態を知ったり、似た人たちを見て少し安心できた。
終わる頃には18時過ぎ位になっていた。
外に出ると連絡も入れてないのに謙治がそこにいた。
「外で待つくらいなら中で座って待ってればいいのに。」
「つい1、2分前に着いたんだよ。そんなことより帰ってご飯しようぜ。今日はきのこのスープと海草サラダと、魚だ」
また魚だ。こいつ楽しんでるだろ絶対。
「目だけでお前が何思ってるか大体わかるぞ。また魚か、とか思ってるんだろ。そうだよまた魚だよ。体にいいんだぞ。」
そう言って謙治は笑っていた。
私はため息をつきながら
まあ、作ってくれるのはありがたいし諦めるか…
そう自分に言い聞かせ、一人じゃない、二人での食事を楽しもうと思った。