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英雄ができるまで  作者: けふ
始まり話
4/4

イチノスケ・タカシマ-03-

イチノスケは森の中の雰囲気がいつもと違うことに気づく。



本来いるはずの鳥や小動物が今日は姿が見えない。


そこにあったであろう木は根本から斬り倒されていた。

鋭利な切断面から冒険者達であろう。


まだ森に入って間もない所だ。

植物が生い茂っているので、決して広いとは言えないが

わざわざ木を切るほど狭くはない。



「こんなところまで出て来て争ったのか」




森の奥に進むにつれて不自然に倒された木が目立つ。

明らかに大きな生物が通った跡だった。

また、そこかしこに生き物の骨がある。



「肉食か…ってことは肉は旨くないな…。残念だ」



通った跡を辿ったら“そいつ”は居た。


鋭利な爪、適度な柔軟性がある固い毛皮、骨を難なく噛み砕く牙


なるほど、これは鉄級だと全滅もあり得る。


個体名:フォレストデビル(森の悪魔)

Lv380


簡単に言えば身体が大きい熊だ。前足が4本あることを除けばだが。




こっちに気付いたのか、大きな咆哮をあげ、

突進しながら障害物となる木を爪で切り倒して来る。


四足歩行で移動しながら爪を使った攻撃を繰り出して来るので、懐にはいる事もできない。


さらに遠距離から魔法等で攻撃しても、毛皮がそれを防ぐため、並の冒険者では歯が立たない。



本来であれば遊んでやりたいところだが、今日はこの後の予定が決まっているため、一撃で仕留める事にした。



矢筒から矢を取り出し、構える。

体内の魔力を、手を通じて弓矢へ集め、攻撃力を高める。


「あとはよく狙って…射つ」


俺の手を離れた矢は、一筋の光となってフォレストデビルを貫いた。



「よし、終わったな」


討伐を確認した俺は、魔法のポーチを開き、フォレストデビルそのものを収納した。


魔法のポーチは、所有者の魔力に反応して使用可能となる亜空間収納だ。

この世界に住む住民であれば誰もが使用している。

魔力によって個人を識別するので、盗難に会う確率も低い。

収納量は魔力によって異なってくるが、産まれたばかりの子どもでも 車1台分程度はある。



「よし、急いで帰るか。“あいつら”に会う前に」



馬まで戻り、街を目指して駆ける。

少しでも早く帰るために移動速度が向上する魔法を馬にかけたので

行きの半分の時間で帰る事ができた。

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