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英雄ができるまで  作者: けふ
始まり話
3/4

イチノスケ・タカシマ-02-

店の裏口から出て、大通りに向かった。

大通りにはさまざまな店舗が並び、街の中心には冒険者ギルドがある。


冒険者ギルドに向かう道中、今回の冒険に必要となる行動食や消耗品を購入するのがいつもの流れになっていた。

行動食に関しては自分で準備することもできるのだが、

万が一他人に分け与えて、万が一その人が店の味を知っている人だったら。と考えて、常に購入している。

俺は絶対に面倒な事には巻き込まれたくないから、僅かな可能性でも油断はしない。



まずは食料品売り場で今回の行動食になりそうなパンや燻製肉を買い、アイテムショップで低級ポーションと毒消し草、麻痺直しの薬を買う。

次に武器工房に寄り、投げナイフと矢を補充し、防具屋で小さな円盾を購入する。


必要なものを揃えた俺はギルドの扉を開けてクエストボードを見た。



冒険者ギルドには様々な依頼が集まる。それらはこのクエストボードに、ランク毎にまとめられて掲示される。

銀級のクエストは、基本的には街で受けることができる最高難易度のクエストとなっている。

一言に銀級クエストと言っても難易度はピンキリだが。


ちなみに

それよりも高難易度のクエストは特定の国でしか受けることができない。



「今日のクエストは、と・・・。これだな」



クエストボードから依頼書を取り、受付に向かった



「あ、おはようございます、アイン様!」


「ああ、おはよう。今日も元気だね。今日はこれを頼むよ」


「いつもありがとうございます。この街の銀級クエストをこんなにも高頻度で受けてくれるのはアイン様しか居ないんですよ」


「仕方ないさ。そもそも街に1人居るかどうかのランクなんだから」


「そうですけど・・・。この街には3人も居るのに。」


受付嬢は愚痴をこぼしながら専用の魔法を発動させ、

同じクエストが他の街にあるか、すでにクリアされているかを確認している。



「はい、これで受理しました。このクエスト、先週他の街で挑戦した冒険者が負傷して撤退していましたので、気を付けてくださいね」



心配してくれる受付嬢に軽く挨拶をして、街を出る。



門のすぐ近くにある馬屋で馬を一頭借りる。


銀貨5枚で借りて、無傷で返却すると銀貨4枚と銅貨50枚が返ってくる。

実質銅貨50枚で借りることができるし、銀貨5枚で買ってもいい。


クエストに行くときにはいつも使用している馬屋だった。




馬にまたがり、30分程度のところにある森へ向けて走らせる。



今日のクエストはそこで大型モンスターの討伐となっていた。

近頃、そこの近くにある牧場の家畜が襲われる被害が多発し、調査を行ったところ、

森の中に大型のモンスターが発見されたらしい。

現在は幸いな事に、被害は森の周辺のみで収まっている。



通常の大型モンスターであれば銅級程度なのだが、銅級より1つ上の鉄級冒険者のパーティが討伐に向かったところ、

無残な死体で発見されたため、銀級に引き上げられたのだ。



そもそも銅級冒険者だって弱いわけではない。


初めて冒険者になるときは全員が石級からだが、

一定以上の成果を上げ、冒険者ギルドで承認を受けることによって

初めて銅級となるのだ。だから、引退まで石級冒険者ということも少なくない。


そんな銅級冒険者がさらに鍛錬を積み、承認を受ける事によって鉄級となる。

一般的には最終目標となるのがここだ。

クエストをこなす事によって、多少は裕福な生活が約束される程であった。

小さな街では、警備兵の兵長が鉄級程度にあたる。



そんな鉄級冒険者のパーティ全員が死体で見つかったとなるとそれは問題ともなる訳だ。と思っていると森が見えてきた。



すこし森に入って開けた場所で馬を降り、さらに奥へと足を進める。



「時間も無いし、サクッと終わらせて帰るか。」


足早に森の奥へと入っていった。

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