02
不死鳥に抱き上げられながら教会の外に出れば目の前に沢山の聖獣や精霊が飛び交っており、上空から花弁がヒラヒラと降ってきたりもして暁は目を見開き
『主が目覚めて皆、祝福してるのでしょう』
「そうなの?そっか…みんなありがとう」
不死鳥の言葉と集まっている者達の幸せそうな顔を見て、暁も少し照れくさそうに微笑みながらお礼を言えば、先に進む不死鳥の腕の中でこの場所がどんな場所かしっかりと眺めながら、日本に居た時とは違う澄んだ空気に平和だなと感じた。
森の中を歩いていると近くに湖があると言われそこに向かってもらい、水辺に着けば地面に降ろしてもらい顔を覗かせれば初めてみた自分の容姿に興奮し
「(キタキタキター!銀髪のゆるふわヘアーに眼の色もスカイブルー!!顔の作りも幼いけどかなり美形ときた!さっすが異世界最高フォオオ!!…だが髪の毛が肩まであるって俺本当に男だよな?これだと女と間違えられそう…)」
一通り自分の容姿を確認し終えれば横にいた不死鳥を見て、こいつもかなりの美形だよなぁと思いながら観察しだし
燃えるような赤い髪がサラサラとなびくようにストレートで腰まであり、瞳の色も赤く肌の色は白いが肉食系イケメンな容姿をしておりパッと見は細身だが抱えられてる時にしっかりと筋肉がついてるのを確認済みな暁であった。
『どうしました?主様』
「いや、そう言えば名前なんていうの?不死鳥って呼ぶのもどうなのかなって思ってさ」
『私に名前はございません…』
「そ、そうなんだ?ごめん……ならさ、俺が名前つけてもいいのかな?その方が呼びやすいし」
『主様が嫌じゃなければ私は幸せでございます』
相手からの了承を得ればどんな名前がいいかなぁっと考えるも今迄動物に名前を付けたり、人のアダ名を考えたりもした事無かった為、ん〜、ん〜と唸りながら無い頭で考えるも不死鳥→フェニックスと安易なもっていきかたをし
「ん〜、じゃぁフェン!どうかな?」
『フェン…素敵な名前をありがとうございます!私ことフェンは主様に一生涯側に仕える事を誓います』
フェンが腰を降ろし片膝を立て暁の右手を両手で取れば手の甲に額を付け誓いの宣言をし、それを見ていた暁は苦笑しながら
「一生仕えるって大袈裟な…でもこれからよろしくな?フェン。今更だけど俺はアキ。気軽にアキって呼んでね?」
『はい、アキ様』
フェンがアキの名前を呼べば2人は光に包まれアキが慌てだすも一瞬で光は治るが2人の首にチョーカーが付いておりアキのチョーカーには大きな赤い石が垂れ下がり、フェンは透明の石が付いていた。
フェンは契約が無事成功した事に笑みを浮かべるが、アキが契約の意味を知るのはきっと当分先である。
何故なら不死鳥は人前に出ない幻の幻獣であり、普通の者じゃ契約不可能であるからだ。
尚且つ精霊との契約は精霊の気紛れで出来るが、すぐに一方的に切られる事が多く、生涯仕える誓いは本当に仕えたいと思った者にしか絶対に言わない。
聖獣も精霊同様。幻獣は契約したい相手にしか姿を絶対現せないからだ。