役目完了かとおもいきや
私の役割は終わったと思っていた…
原作通り、ヒーローの幼馴染のハイスペック悪役令嬢が引っ越してきた。
私のような成金の悪役令嬢とは違う、公家筋の本物のお嬢様らしい。
彼らが繰り広げる、ラブキュン合戦で教室の雰囲気が浮わつく。
よくやるよ…と横目で見る日々を結構楽しんでいたのだが
小学校6年生、修学旅行!日光!の班編成。
ヒーロー、ヒロイン、幼馴染の悪役令嬢、サッカー部のイケメン男子。
委員長と私は一組のモブ男女と一緒にこの班に組み込まれた。
「問題起きそうな班だからさあ、二人でしっかり締めてくれ」と事前に担任に頼み込まれた。
修学旅行、友達同士で子供らしく楽しみたかった。
唯一の味方、モブ女子と一緒に過ごすしかないだろう。
ヒーローは嫌がるかと思ってちらっと見たが、無言・無表情を貫いてた。
旅行前の休日に集まって、自由行動でどこに行くか話し合う事になった。
正直「そんなの学校で放課後にパパッと決めればいいじゃん」と思うのだが…
まとまらない。まとまらない。まとまらないのよ!
ひたすら無言のヒーロー、ヒーローを囲むヒロインと幼馴染。
二人の険悪な雰囲気を和ませようと必死な委員長とサッカー部イケメン。
私とモブ女子が二人で、ここ良いんじゃない?と提案すると
幼馴染がヒーローに「前に一緒に行った時は良かったよね」と話しかけ、ヒロインと一触即発の雰囲気に。
お前等、行ったことあるのかよ!私は前世とも合わせて初日光なのに!
そして話がまとまらないまま、日曜日にうちに集まる事になったのである。
午前中の空手クラブを終えて、昼間に集まる。
夕方はピアノ教室があるのでさっさと決めてしまいたい。
最寄りの公園を待ち合わせ場所にして、待ち合わせの午後1時に迎えに行く。
ヒロインは委員長とイケメンサッカー部男子を従え逆ハーレム中。
モブ男子とモブ女子と一緒に待っていたら、ヒーローが幼馴染と一緒にやってきた。
一瞬で冷える空間をバックに、ヒーローは遅れてやってくるって本当だなあと思う。
面倒な事が起きる前に、さっさと家に連れていく。
家に帰ったら部活帰りの学生服を着た兄がいた。
「いつも麗子と仲良くしてありがとう」と彼らに微笑む。
このシーン、少女漫画で見た。