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正月、空手クラブの合同寒げいこに参加した。

初日の出を見ながら走る。

その後は寒中水泳。

水から出た後に稽古を続けていたら、熱を出して倒れた。


そりゃそうなるよねえ。

鍛えているつもりだけど、お嬢様だからひ弱なのだろうか。

倒れる前に名前を呼ばれた気がする。

知らない低い声だった。


「こいつはいったい何を目指してるんですか」

「さあ。空手クラブでかっこいい男子を見つけて初恋するんだ!と言ってたけど」

「はあ?何考えてるんだ!こいつは!」

兄と誰かの声が聞こえる。

「うるさい。静かにして」とやっとの事で言ったら静かになった。

起きたらいつもの暖かい布団の中だった。


正月休みは風邪で終わってしまった。

休み明けに久々にヒーローにあった。

いつものようにじゃれついたら、無言でキレられた。

胸倉を掴まれて、壁に押し付けられ、睨み付けた後に嘲笑された。

いつの間に私の背を追い越したんだ。ショタのくせに。


ヒーローが悪役令嬢にキレる描写あったっけ?

覚えていないだけか。

春には新たなハイスペック悪役令嬢、優等生の幼馴染が登場する。

私の出番は終わり。

これからは学校でも家でも紙のように薄い存在感の娘になるのだ。


学校はほどほどにしておいて…空手を頑張ろう。

今のところ原石イケメンはいないけど

頑張れば高校のインターハイでカッコいい空手青年との出会いが!

とこぶしをぎゅっと握りしめる私は背後の黒い視線に全く気づいていなかった。


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