初恋はいまだ訪れず
兄とテニスをする。縦ロールの髪をポニーテールにして、テニスウェアを着る。
今日の気分は某有名テニス漫画の○○夫人だ。
この世界に転生した後に、どうせならスポコン漫画に転生したかった!と思った。
けど、思い直した。
スポコン漫画では登場人物が不慮の死を遂げるパターンが多い。
それなら、ヒロインマンセーの逆ハーレム世界の方がよっぽど健全だ。
おおっとヒーローがやってきた。
さすが美少年、ラケットが似合うと思って見てたら、目が合った。
ギロリとすごい目でにらんでる。
まあ、仕方ないよなあ。
市民センターのテニスコートなんて、市民ならだれでもやってくるんだもの。
テニスをやめて、カフェテリアでパフェを食べる。
「麗子は好きな人は居ないのかい?」と兄に聞かれる。
「いませんわ。だってお兄様よりカッコいい男性が居ないのですもの」と答えておく。
兄が困った顔をしてパフェのイチゴを一個くれた。
喜んでもらっておく。
春には4年生、主人公が転校してくるのは小5の春。
ヒーローに嫌われる役割は十分熟してるはずだ。
これからは体の成長面で不利になる、もういじめっ子役は卒業だな。
来年、ヒロインと少しだけ男を取り合うふりをすれば…
その後は美少女と美形のキュンキュンイチャラブ見放題の生活。
ヒロイン来る前に初恋くらいしておきたかったなあ。
同じ学校の男どもはヒロイン逆ハーレムに組み込まれるから、やっぱり他校。
他校生との出会いと言えば、部活かバイトか。
ここは健全に部活で他校の生徒との出会いを求めるべし!。
テニス・バスケ・サッカーは漫画の主要人物がいるから期待が薄い。
ここはヒロインが決してかかわらない汗臭い世界に身を投じた方が良いだろう。
というわけで私は空手クラブの門をたたくことにした。