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悪役令嬢は自覚した
体育祭が終わると、前生徒会の先輩達とはお別れ。
先輩たちは受験勉強に集中する事になる。
会長、結城先輩、橘先輩と一緒に仕事をするのもあと少し。
「寂しいか?」と要が聞いてきた。
なんだろう、寂しいに決まっているだろうと思って見やったら、
要が目をそらしつつ「お前、結城先輩の事好きだっただろ」と言った。
すっかり忘れてた。というよりも花火大会の時に気づいた。
結城先輩はカッコいいけど、先輩に対して感じる気持ちはそういう好きじゃない。
「花火大会の時にデートしてたろ、あれからも会ってるのか?」と要が続けた。
「あれは違う。花火大会の時は先輩が気を使って誘ってくれただけ」と言うと、要が意外そうな顔をした。
ヒロインに花火大会に行こうと誘われた時、嫌そうな顔をしていたらしい。
人の顔色を読むのに長けた結城先輩だから気づいた。
「可愛い女の子と花火に行けるのは役得だよ」と先輩は言った。
それに結局、川原についたら会長と橘先輩が待っていた。
橘先輩が「一条君も誘ったんだけど、小学校の時の友達と約束があるって断られたの」と言うのを、結城先輩が笑顔で流してみんなで花火を見た。
そして自覚した。私は報われないと知っていても、要の事が好きなのだ。




