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美男子はハーレム要員

兄に教えてもらってキャッチボールをする。

「麗子がスポーツが好きだなんて意外だな」と兄が言う。

「スポーツ全般を嗜みたいと思っていますの。今度バスケットボールも教えてください」とお願いしておく。

小学校の勉強は、転生者の私には…

というわけで苦手だったスポーツや音楽の習得に時間をかける事にしたのだ。


これは、もちろんヒーロー苛めの訓練も兼ねている。

ドッチボールで真っ先にヒーローに当ててみたり、野球で打ちにくい球を投げて泣かせてみたり、サッカーで取れないパスをだして泣かせてみたり。

ぱっちり目のサラサラ黒髪の美少年が泣く姿は、嗜虐心を十分に刺激してくれる。


成長期に入るまでは彼はひ弱な少年。苛めて泣かせるなら、いつやるの、今でしょ。

何よりここで苛めておくことで、この後のヒロインとの出会いが盛り上がるのだ。


「麗子は最近なんだか楽しそうだね」と兄が意味ありげに笑いながら言う。

「面白いおもちゃを見つけましたの」とオホホと笑いながら答える。


しかし乙女としてはせっかく美少女に生まれ変わったのだ。

初恋くらいさっさと経験しておきたいのだが…


「雪之丞が何かを狙っている目をしている」とクラスの男どもが怯えている。

こいつら弱すぎる。

校庭でサッカーをしている美少年は、恋に悩むヒロインに手を差し伸べて最終的にヒロインの幸せを願って身を引く良い人キャラ。

ベンチで本を読んでいる眼鏡少年は、中学生の時の生徒会長。彼もヒロインのお友達キャラ。

ブランコで黄昏ている美少年は、中学校編でケンカが強い不良だけど事あるごとにヒロインを助けてくれる良い人。


この学校の美少年はすべて鑑賞対象(ヒロインのもの)という現実。

兄も少女漫画の中では、ヒロインの良い相談役枠。

「いつも麗子と仲良くしてくれてありがとう」とか言って仲良くなり、いつの間にかヒロインの兄の様な立ち位置になる。

そして兄の恋人も性格の良い美人で、ヒロインと姉妹のように仲がいい。

その頃には私、麗子の存在感は紙のように薄い事になっているのだが…


この学校の顔も性格も良いキラキラ男子は全てヒロインのハーレム要員なのだ。


隣に誰かが立った。

「麗子ちゃんはどうして僕を苛めるの」という声に振り向くと、

ヒーローが、真剣な目をして私をみていた。

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