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英雄になるには弱すぎた。  作者: あぢわ
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プロローグ

  この世の中には英雄階級というものが存在する。

  今から五十年ほど前に当時の魔術師達が世界の危機を救うべく、この地に魔法陣を通し呼びよせたのだ。

  この世に召喚された英雄は全部で二十六人。

  この二十六人は、手分けして世界で巻き起こっている自然災害や戦争など数多くの事に対して全力を尽くしていく。

  一ヶ月とたたないうちに世界は平和を取り戻しつつあった。

  役目を終えた英雄達は、呼びだされた魔法陣に再び集まり眠りにつこうとしていた。

  だが、魔術師達はこのまま英雄達を眠らせてしまってもいいのか迷っていた。再び世界は危機に落ちいってしまうかもしれない。そう思った魔術師たちは二十六人の英雄にこの世に留まる事を提案した。

  魔術師たちは様々な条件を提示した。

  二十六人が階級という名の称号を持ち、一人一人が認めた人物を新たな英雄として階級を譲る事。

  階級を譲った英雄だけが再び眠りにつけること。

  そんな魔術師の提案に英雄達は話し合い提案を受けることにした。

  そして英雄達はバラバラに散り、自分が認める人物を探しに世の中に出た。



  現在では、月日が流れるとともに英雄に関しての様々なルールが少しずつ増えていき、英雄階級が作られた。

 


  一、階級はA〜Zに分かれており、一人一つの階級しか持てず人数は二十六人のみとする。


  二、階級に強さの順番などないが、階級Aのみ全ての階級のトップとする。


  三、階級を持つものは高校生(十六才)以上でないといけない。


  四、階級を獲得するには現在の英雄階級に存在する階級A〜Zの誰かと戦い、勝利を収めるか、認められれば英雄から階級を譲り受けることができる。


  五、階級を譲り受けた証として左手の甲に前英雄が所属している階級の印を付けてもらうこと。


  六、英雄になったものは半年間、他の者に階級を譲ってはいけない。半年経てば四を行い、次の後継者に譲る事ができる。



  現在の英雄達は世界のどこかにいる。

  階級を持っている者の約半数は召喚された英雄から階級を譲り受けた人達だ。

  それでもまだ階級を譲っていない英雄も存在する。

  この召喚されてから階級を譲ってない英雄達を世間では1st(ファースト)と呼んでいる。



  世界では英雄を目指す若者のための学校がいくつも建てられた。

  その中の一つが白露(しらつゆ)学園。

  秋月(あきづき) 優音(はると)が通っている学校である。

  彼もこの学校で英雄になるために日々努力している生徒の一人だ。

  そしてそんな彼は今まさに、留年の危機に瀕していた。

  入学式の朝。二年生進級の為の単位を各教科の教師からもらうべく、校内をひたすら駆け巡っていた。

  タイムリミットは入学式が始まる九時。

  休むことなく走り続けて、単位を一つ、二つ、三つ、とテンポよく稼いでいく。

  そうしてようやく全ての単位を取ることが出来、最後の扉の前で深呼吸する。時間は入学式三分前。


「よし、これで最後だ」


  呼吸を整えて、ゆっくりと扉を開けて中に入る。


  進級の為、校長の元に。

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