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プロローグ 2
今日も朝日を拝むことが出来た。
ただそれだけに安堵する。
そんな日常を繰り返して何年経つだろう。
絢爛豪華な一室で目を覚ました自分に対する自虐。
それをここ最近はまた自覚する様になった。
定まらない思考をゆるゆると垂れ流しながらベッドから足を降ろし、重みを感じさせないカーテンを引けば、朝靄を薄く纏った街並みが窺えた。
「今日で、この景色も見納めなのですね」
どうせ、永くはない命だ。
ただ朽ちるより、誰かの役に立てるその事を誉れと、そう思えた。
そう思えた。
感情が例え、納得せずとも。