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灰色の鳥  作者: 伊川有子
番外編
72/73

番外編・レジーナの18禁的指南

リクエスト番外編

ヴィラと『ブラッディ・ドール』のネネも登場します。限りなくR18に近いR15です。ご注意ください。

「マンネリ?」


レジーナは少し顔を赤くして項垂れているヴィラに片眉を上げた。ちなみにネネは我関せずでお菓子を頬張っている。


「いや、あたしに不満があるわけじゃなくて、特に問題はないんだけどさ。

ほら、この世界って寿命長いじゃん。レオナードはずっとこのままでいいのかなって・・・」


ヴィラの相談内容、それは夜の性生活について。そういった方面で相談できる者がおらず、偶然集まったレジーナとネネとのお茶の席で話を切り出す。


「で、いつもはどんな感じなの?」


「・・・・ふつう」


「満足してる?」


「そりゃ・・・もちろん」


それ以外に答えようがない。そうねえと腕を組んで考え込むレジーナより先にネネが口を挟んだ。


「媚薬は、どう?」


「そんなの定番中の定番でしょ?普通すぎるわよ」


レジーナの発言にヴィラは口に含んでいた紅茶を吹きだす。

顔を真っ赤にして「なっ!なっ・・・・!」と意味のない言葉を連呼する。


「お、お前、普通ってあのな・・・」


「媚薬くらいじゃマンネリ脱出にはならないでしょ。やるならこれくらいしないと」


そう言ってにっこり笑ったレジーナが取り出したのは、長い縄。これにはヴィラだけでなくネネも硬直した。


「やっぱり使ったことあるかしら」


「ねえよ!!」


勢いよく突っ込みが入る。そしてちゃっかりその縄をもらうのはネネ。


「縛り方はわかる?ちゃんと痛くない縛り方があってね」


ぺらぺらと縄について語り出すレジーナだが、すでにヴィラはついていけない。


「いや、せっかくだけど、縄はちょっと・・・・」


「そう?割と初級よ?」


ヴィラはアダムとレジーナがいったいどんな性生活をしているのか激しく気になってきた。


「えっと・・・、それどっちが使ってんの?」


「どっちも使ったことあるけど、アダムの方が結ぶのが上手いのよね」


へーと乾いた笑いが漏れる。ネネは興味津々で次を促した。


「他には?」


「ワインは使えるわよ。あと、果物とか」


性生活とは全く関係ない物の名前が出てきてヴィラとネネは首を傾げる。わかっていない様子の2人にレジーナは詳細を続けた。


「中に入れたり、注いで飲んだり。上手いこと酔えると燃えるんじゃない?」


「中って・・・ナカ?」


「ナカ」


そうそうとしっかり頷く。


だんだん生々しく過激な方へ話が進み、想像していたよりマニアックな嗜好に顔を赤くするヴィラ。さすがに自分が実践している場面は想像できないし、参考にもならない。


しかしここまで来ると引くに引けなかった。


「それってアダムがレジーナにするわけ?」


「ええ。でもアダムは自分でするより見るほうが好きみたい」


「み、見る?」


「少し離れたところで私がしてるのを見たいんだって。鏡とかよく使うし。錬金術で道具作ったり。

あ、部屋にあるけど使ってみる?」


ヴィラは勢いよく首を横に振った。ネネだけがほうほうと真剣に話を聞いている。


「じゃあシチュエーションとか変えてみたらどう?いっつも寝室なんでしょ?」


「例えば?」


「廊下とか、人の出入りが少ない部屋とか、外もアリよね」


「いやそれ一歩間違ったら犯罪だからな」


お前ら城内でなにやってくれてんだ、と遠い目をする。


「仕事中だとなかなか面白いわよ」


「はい?」


「薬盛ったり、誘惑したり。我慢させると後が楽しいわよね」


ふふっと笑うレジーナだがヴィラは青くなって首を横に振るばかり。我慢するような機会はいままでに何度かあったが、いつもその後は大変な目にあうのだ。確かにレオナードは興奮するのかもしれないが・・・。


「まあ、アダムは我慢できなくなったら仕事途中で中断しちゃうんだけど」


「は た ら け や」


中断する許可を出した覚えは全くない。そう言われみると、大事な場面でアダムとレジーナが居なくなることはちょこちょこあったような気がする。


「どう?参考になった?」


「なりました」


「いや、全く」


ネネもヴィラも迷いなく即答する。ヴィラははあと重いため息を吐いた。


「なんか別次元過ぎてよくわかんなかった・・・」


「じゃあ見に来る?」


自分を落ち着かせるために飲んだ紅茶を吹き出しかけた。何故アダムとレジーナの性行を見学しなければならないんだ。


「いやいやいやいやいや」


「どうして?見た方が分かりやすいでしょ?」


「いや、恥ずかしいだろどう考えても」


「だったらレオナード呼んで一緒にすればいいわよ」


けろっとなんでもないように言い放ったレジーナ。


「・・・・・」


もうレジーナにこの手の相談はするまい。そうヴィラは心に誓ったのだった。







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