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雷哭ノ桜花戦記 ― 奪われた鍵を求めて  (表)  作者: 田舎のおっさん
第3部

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第10話(表) 『再起動への反逆 ― 世界に抗う最後の防壁』

――朔夜視点


中央石室が、壊れ始めていた。


いや、正確には――

“壊れながら、作り替えられている”。


蒼光だった床は、黒く沈み、

構造だった壁は、崩落し、再編成され、

天井そのものが“再起動のための演算層”へと変質していく。


管理端末《第一位階》は、

その中心で、異様な光を放っていた。


「世界構造核、再起動フェーズへ完全移行」


その声音は、もはや“平坦”ではなかった。

焦燥、怒り、執着――

人間の感情を歪めたような“異音”。


朔夜は、その異変を見逃さない。


(……やっぱりな。

 お前は、神なんかじゃない)


「夕凪が“鍵”でなくなった。

 だから――

 世界そのものを“巻き戻す”気か」


管理端末は、即答した。


「最適解である」


「……そんな“最適解”に、

 俺たちの人生は含まれていない」


中央石室の奥で、

重なり合う“別の鼓動”がはっきりと伝わってくる。


(……蓮と……夕凪……)


(……触れたな。お前ら……)


朔夜は、小さく――

ほんの一瞬だけ、笑った。


「……上出来だ」


燈子が必死に符を張り巡らせる。


「朔夜様!

 再起動波が拡散しています!

 このままでは――

 大陸規模で“存在消去”が!」


「分かってる」


朔夜は、剣をゆっくりと構えた。


「だから――

 ここで、止める」


■ 世界再起動・第一波


次の瞬間。


世界構造核から、

**巨大な“白黒の波動”**が放たれた。


それは攻撃ではない。

“上書き”そのものだった。


触れた物質、空間、情報、生命――

すべてを“初期状態”へ戻す、

神殺しのような光。


燈子の結界が、

触れた瞬間――蒸発した。


「っ……!!」


朔夜は、一歩前へ出る。


「天城朔夜。

 世界は、あなたの抵抗を織り込み済みだ」


「なら――」


朔夜は、剣を振りかぶった。


「世界の“想定”そのものを、超えてみせる。」


——《雷哭・第六式》


雷が、剣身そのものへ固定化される。


雷ではない。

“剣そのものが雷”へと変質する。


朔夜は、そのまま――

再起動の第一波へ、正面から斬り込んだ。


――――――――ガァァァン!!!


白黒の世界が、真っ二つに裂ける。


燈子が、震える声で叫ぶ。


「……斬……

 斬った……

 世界を……!」


だが――

それでも、再起動は止まらない。


斬られた空間の奥から、

第二波が、第三波が、次々と押し寄せてくる。


管理端末の声が、重く響く。


「あなた一人では、

 世界は止まらない」


「分かってる」


朔夜は、雷の剣を再び構えた。


「……止めるのは、

 俺一人じゃない。」


■ 蓮と夕凪の“内側の選択”


そのとき――

世界構造核の奥から、

はっきりと“別の光”が立ち上った。


(……来たな……)


内側――

蓮と夕凪の“拍動”が、

再起動の演算そのものへ干渉し始めている。


管理端末の演算が、

初めて――明確に乱れた。


「……再計算……不能……」


「だろうな」


朔夜は、雷を纏いながら前へ進む。


「内から壊す奴と、

 中心で“人として選ぶ奴”がいるなら――」


踏み込む。


「外からぶち壊す役は、

 兄の仕事だ」


■ 最終防衛形態


管理端末が、

ついに**“形”を変えた。**


人型でも、機械でもない。


石室そのものと融合した、

“世界意思の化身”。


「天城朔夜。

 あなたを、世界の“異物”として排除する」


「上等だ」


朔夜は、剣を突きつけた。


「俺は――

 お前たちの“完璧な世界”に、

 最初から“不要な存在”だったらしいからな」


雷が、最大まで収束する。


だがその直前――

胸の奥で、はっきりと夕凪の声が響いた。


『……お兄ちゃん……

 わたし……

 鍵じゃなくて……

 “天城夕凪”として……

 ここにいる……!』


続いて、

蓮の声も、確かに重なる。


「朔夜。

 こっちは、“世界の内側”を掴んだ。

 あとは――

 お前が“表”をぶち壊せ」


朔夜は、目を細めた。


「……任せろ」


剣に、雷が重なる。

世界の轟音と、

人間の意志が、真正面からぶつかり合う。


「天城朔夜、

 ここに――

 “世界の再起動”を、拒絶する!!」


次の瞬間。


朔夜の剣と、

“世界意思の化身”が――

完全に、真正面衝突した。

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