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雷哭ノ桜花戦記 ― 奪われた鍵を求めて  (表)  作者: 田舎のおっさん
第4部

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第5部 第8話(表)

――並び替えられた場所


 戦線は、整理されつつあった。


 激しさが消えたわけではない。

 ただ、動く場所が限られただけだ。


 桜花は、前線の端で足を止めた。


「……ここに集まってきてるな」


 矢上が頷く。


「逃げ場が、

 一つに絞られています」


     ◇


 中立だった者たちが、

 再び集まり始めていた。


 逃げ切れなかった者。

 戻れなくなった者。

 そして――

 選ばされた者。


「戻る道は?」


 桜花の問いに、

 矢上は首を振る。


「ありません。

 もう……」


「そうか」


 桜花は、それ以上聞かなかった。


     ◇


 桜花は、一団の前に立つ。


「ここから先は、

 立場がいる」


 短い言葉だった。


「武器を下ろせ。

 下ろさないなら、

 ここで敵だ」


     ◇


 ざわめきが走る。


 だが、

 誰も反論しなかった。


 すでに、

 逃げ場がないことを、

 理解している顔だった。


     ◇


 一人が、剣を捨てた。

 次に、槍。

 次に、弓。


 桜花は頷く。


「いい」


 それ以上は言わない。


     ◇


「覚えておけ」


 桜花は、低く告げる。


「ここに立った時点で、

 お前たちはもう、

 元には戻れない」


「前に立つ者がいるなら、

 後ろに下がるな」


     ◇


 桜花は矢上に命じた。


「整理しろ。

 逃げた者は追うな」


「ここに残った者だけが、

 第5部の中身だ」


 矢上が、即答する。


「はっ」


     ◇


 戦は、

 確かに続いている。


 だが、

 形は変わった。


 桜花は前を見た。


「……世界が、

 並べ替えられたな」


 分かりやすい戦だ。

 そして――

 逃げ場のない戦だ。

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