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雷哭ノ桜花戦記 ― 奪われた鍵を求めて  (表)  作者: 田舎のおっさん
第4部

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115/118

第5部 第5話(表)

――踏み越えた者


 最初に越えたのは、足ではなかった。

 意志だった。


 中立勢力の陣の奥で、号令が上がる。

 短く、荒い声。

 躊躇いを振り払うための声だ。


「……来たな」


 桜花は、剣を構え直した。

 線は引いた。

 選ぶのは向こうだと、すでに示している。


     ◇


 槍が上がる。

 盾が前に出る。

 一人、また一人と前に出る。


 誰もが分かっていた。

 ここを越えた瞬間、もう中立ではない。


「止まれ」


 桜花の声は、低い。

 だが、陣全体に届いた。


 止まらない。

 止まれない。


     ◇


 桜花は、一歩踏み出した。


 剣は振らない。

 だが、退かない。


「踏み越えるなら、

 敵だ」


 それは宣告だった。

 裁きではない。


     ◇


 最前列の兵が、足を出す。

 線を、越えた。


 その瞬間――

 桜花は剣を振るった。


 狙いは急所ではない。

 隊列の芯。


 盾が弾かれ、

 前が崩れる。


     ◇


 桜花は、迷わない。


 第4部では、剣を振らずに終わらせた。

 第5部では、違う。


「……踏み越えたのは、

 お前たちだ」


 だから、

 止める責任は、こちらにある。


     ◇


 剣が、二度、三度と振られる。

 無駄はない。

 怒りもない。


 秩序を戻すための剣。


 桜花は、前に出続けた。

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